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仮面ライダー エターナルインフィニティ

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第六話 信の誓いその二

「そうして今の響鬼さんになられたのね」
「ははは、人間生きていればそれなりになっていくさ」
「正しい道を歩めば」
「正しいことかどうかわからないけれど」
「けれど?」
「鍛えてますから」
 心もという意味だった。響鬼は悲しみはあえて見せずにだ。それでだった。
 笑顔でだ。こう言ったのだった。千姫もそれを聞いてだ。
 響鬼の心に深い、人間としての成熟を感じたのだった。
 そしてそのままだ。千姫は響鬼の話を聞く。彼は生徒会長室への道中でさらに話すのだった。
「俺は実は機械が苦手なんだ」
「機械は」
「うん、だからバイクも免許は持っていたけれどね」
 苦笑いになってだ。そのことを話すのだった。
「それでも。中々運転しなかったしな」
「あれっ、仮面ライダーなのにですの?」
 兼続はかなり素朴に尋ねた。そのことに。
「オートバイに乗らないっていうのは」
「仮面ライダーとしては失格かな」
「仮面はともかくとして」
 響鬼を見ながらだ。彼女は言う。
「オートバイに乗らない仮面ライダーはないと思いますけれど」
「実はそれでだ」
「何かと言われたりしたわ」
 斬鬼と朱鬼はこんなことを兼続に話した。
「それでは音撃戦士でしかないとな」
「鬼と」
「というか鬼ではなくて?」
 さらに言う兼続だった。
「それですと」
「まあな。否定できないな」
「仮面ライダーになってはいるけれど」
「一つ言わせて頂きますと」
 あきらがここで話す。
「鬼は鬼ですか」
「それでもですね」
「はい、私達は人として戦う鬼です」
 そうだとだ。叉兵衛に話すのだった。
「そうした鬼ですから」
「鬼といっても色々なのですね」
「あれだな。人は時として鬼になる」
 響鬼、その鬼の言葉だ。
「そういうことだな」
「成程のう。人の心を持って鬼となり戦いその魔化魅を倒すのじゃな」
「簡単に言えば妖怪退治さ」
「スサノオが出すそれを」
「その為に鍛えてもいるからな」
 ここでも鍛えていることを話す響鬼だった。
「そうして鬼になったんだ」
「思えば凄い話じゃ」
 そのだ。生身の人間が鬼になれることについてだ。幸村は唸る様にして述べた。
「修業はするものじゃな」
「まあ鬼になるにはコツもあってな」
「修業だけではなれぬか」
「身体を鍛えてそこからなんだ」
 鬼になる、そのことはというのだ。
「色々とあってな」
「ふむ。中々興味深い話じゃ」
 そんな話をしているうちにだった。一行は。
 遂にその生徒会室の前に来た。すると。
 その前にだ。思わぬ者がいた。
「待っていたにゃ」
「何ですの、この猫は」 
兼続はにゃんぱいあを見てだ。すぐに首を傾げさせて言った。見事な扉の前にだ。にゃんぱいあが二本足で立っていたのである。
 その彼を見てだ。兼続は言うのだった。
「黒猫とは不吉ですわ」
「それは九州の方のことでは?」
 半蔵がその兼続に突っ込みを入れる。
「別にこの江戸では」
「ですが実際に」
「米沢では違う筈じゃが?」
 幸村はここでも兼続に突っ込みを入れた。
「それはあくまで化け猫のみじゃ。普通の黒猫は違うぞ」
「けれどこの黒猫は」
 兼続はにゃんぱいあを見ながらさらに言う。
「牙がありますし」
「猫なら絶対にあるものだろうに」
「それに蝙蝠の翼まで」
「むっ、確かに」
 ここでだ。幸村はようやくにゃんぱいあをまともに見た。すると確かにだ。
 その背には蝙蝠の翼がある。それを見て幸村も言った。
 
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