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スーパー戦隊総決戦

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第五話 生きていた者達その九

「外道衆もいる、それでどうしてだ!」
「御前等の道理なぞ知ったことではない」
 今度はリュウオーンが出て来た。
「我々の都合があるのだからな」
「つまり話し合いには応じへんねんな」
「当たり前だ」
 リュウオーンも自分の兵達を連れている。そしてそのうえでシンケンイエローに応えた。
「それではだ」
「俺達もいるからな」
「やらせてもらうぞ」
 クエスター達も来た。
「さて、聖杯発見の前に」
「血祭りだ」
「おっと、そうはいかないぜ!」
「シンケンジャー、加勢するわよ!」
 ここでマジレンジャーの面々が出て来た。既に変身している。
「大神官ガジャに楽しい面々ってことね」
「覚悟しなさい」
 マジピンクとマジブルーが彼等に対して言う。
「こっちにだって引けない理由があるんだから」
「戦わせてもらうわ」
「うぬう、またしてもここで出て来おったか!」
 ガジャは彼等の姿を見て忌々しげに叫んだ。
「何故いつもいいタイミングで出て来るのだ、この連中は」
「大体そこまで大騒ぎ起こして気付かない筈がないだろう」
 マジイエローが実に冷静に突っ込みを入れた。
「街中で大暴れしてわからない筈があるか」
「そういえばな」
「その通りだ」
 このことはクエスターの面々も納得することだった。
「俺達もそれが好きだからな」
「派手に暴れることがな」
「それでわからない筈がないだろう」
 マジグリーンも言ってきた。
「じゃあ話はこれでいいな」
「ふん、増えたところで結果は同じよ!」
 シズカはそこまで考えていない。
「さあ、覚悟しなさい!」
「よし、やってやるぜ!」
 マジレッドが威勢よく言う。
「覚悟しやがれ!」
「んっ!?」
 しかしここで、であった。ふとマジシャインが気付いたのだ。
「あれっ、この気配は」
「どうした?」
「何か来たね」
 こう言うのである。マスクの下からも表情のわかる声だった。
「物凄いプレッシャーだよ、これは」
「!?確かに」
「これは」
 シンケンジャーの面々もマジレンジャーの面々もそれを察した。
「何、この気配」
「一体」
 そしてここで、であった。彼等の後ろに陣幕が出て来た。
「陣幕!?」
「どうして!?」
 黒子達が陣幕の前を取り除けるとだった。そこに志葉薫がいた。志葉家十八代当主にして丈瑠の義理の母にもあたる少女である。
「義母上!?」
「気をつけるのだ」
 その少女薫は丈瑠に対して告げた。
「あの男が来た」
「あの男!?」
「ロン」
 薫は言った。袴姿で前を見据えている。
「あの男がだ」
「ロン!?」
「ロンっていうのは」
「私です」
 豪奢な中華風の服を着た金髪の男だった。慇懃な笑みを浮かべそのうえでやって来たのだった。
「私のことですね」
「貴様は不死身だ」
 薫はその彼を見据えながら述べた。
「この一連の戦いも貴様が黒幕だな」
「黒幕という言葉がここで相応しいかどうかはわかりませんが」
 ロンはその慇懃な笑みをたたえ続けている。そのうえでの言葉だ。
「少なくとも私はこの方々の友人です」
「皆、気をつけるんだ」
 マジシャインの言葉はいつもよりもさらに真剣なものだった。
 
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