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神々の塔

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第六十一話 曼荼羅その十二

「戦うんや」
「そうすることやな」
「そや、そしてな」
 リーはさらに話した。
「上と下からな」
「攻撃するか」
「そうするんや、例え全ての方向に対処出来ても」
 文殊菩薩がというのだ。
「同時に。けどな」
「あらゆる方向から攻めたらな」
「その分ダメージを与えられる、特にや」 
「上は頭でな」
「下も下半身があってな」
「弱点が多いな」
「仏さんでもな」
 それでもというのだ。
「弱点はある」
「それでやな」
「そや、急所を攻める様にするんや」
 自分達の能力を術によって上げたうえでというのだ。
「そうするんや」
「それがええな」 
 シェリルはリーのその言葉に頷いた。
「確かに」
「そう言ってくれるか」
「ああ、それでいくべきや」
 こう言うのだった。
「ここはな」
「そや、考えてや」
 芥川はここでまた言った。
「決断を促せる」
「このことも大きいな」
「三人おるとな、無論まとまって話が出来るという条件やが」
「その条件が整うならな」
「まさにや」
 リーに確かな声で言った。
「文殊菩薩さんの知恵や」
「それが人の強みやな」
「それを活かしてな」
「勝つな」
「ああ、そうするで」
 こう言ってだった。
 三人が出した知恵の通りにだ、一行は戦い文殊菩薩にも勝った、すると神霊は満足そうに一行に語った。
「人は集まれば神霊にも比肩して勝つことも出来る」
「それで今うち等も勝ちましたね」
「その通り、そうしてこれまでも勝ってきたが」
「これからもですね」
「そしてである」
 そのうえでというのだ。
「どの様な苦難にもな」
「向かうことですね」
「左様、頼むぞ」
「はい、ほなこれからも先に進みます」
「その様にな。人は愚でもあるが賢でもある」 
 その両方を備えていることをここでも話した。
「そして集まればその賢は時にだ」
「神霊さんにも勝てるまでなので」
「だからだ、これからもだ」
「力を合わせることですね」
「一人で出来るならばすればよいが」
 一人でというのだ。
「集まることが必要な時はな」
「集まることですね」
「そうだ、しかと行う様にな」
「わかりました」
 綾乃も他の者達も頷いた、そうして一行はさらに上に進むのであった。


第六十一話   完


               2024・2・8 
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