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神々の塔

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第六十一話 曼荼羅その九

「断じて許されない」
「そうした詭弁ですね」
「うむ、しかし詭弁に騙されるならまだいい」
 それならというのだ。
「どうにもならない輩は相手の悪事や嘘を見てもだ」
「変わらへんですね」
「そして信じ続けるのだ」
「そいつがどんな下衆で卑怯で嘘吐きでも」
「信じてな」 
 その嘘を鵜呑みにしてまでしてだ。
「最悪自分達に違うという者にだ」
「暴力さえ振るいますね」
「どんな間違ったことを堂々と言っても信じてな」
 そうしてというのだ。
「そうしたことをする」
「そうした奴はですね」
「真の愚者であり」
「どうにもならないですね」
「人では救えない」
 それは無理だというのだ。
「我等でないと」
「人では救えん位の奴も世の中にはいますね」
「如何なる教えを説いても」 
 その間違いを懇切丁寧に話してもだ。
「わからない、そしてだ」
「救われへんですね」
「騙され利用されていてもな」
 周りからそれを指摘されてもだ。
「わからない、そしてだ」
「そのまま堕ちていきますね」
「そうなる、自分は信じているつもりでもな」
「相手は騙して利用してるだけですね」
「誤った教えを言う者もいるが」
 それだけでなくというのだ。
「政の場でもいるな」
「所謂デマコーヴァですね」
「若しそうした輩に騙される者が多いなら」
 そしてデマコーヴァしかも数々の悪事は明らかであり我欲しかなく嘘を吐いていることも明らかなである。
「その国は亡びる」
「そうなりますね」
「愚者それもだ」
「どんな教えでも救われへんまでの奴が多いと」
「その国は亡びる」
「そうなりますね」
「国を保つにもある程度のものが必要だ」
 それが知識や教養や常識であるのだ。
「しかしだ」
「そうしたものがないアホが多いと」
「亡びるのだ」
「そうなりますね」
「そのことを覚えておくのだ」
「わかりました」
 リーは確かな顔と声で頷いた。
「そうしていきます」
「それも政だ、人はどうしても賢と愚がある」
「その両方を備えていますね」
「しかしだ」
「愚にあまりにも傾いていて」
「人ではどうにもならない域にまで達するとな」
 そこまで至ればというのだ。
「何を言っても無駄だ、そしてだ」
「そうしたアホが多いと国も亡ぶ」
「その様な愚か者は何をするか」
「碌なことしませんね」
「そうだからな」
「国の教育は大事ですね」
「優れた人材を備えると共に」
 教育の効果はというのだ。
「そうした愚者をだ」
「少しでも減らすことですね」
「それも政である」
 文殊菩薩は温和だが峻厳なものもそこに入れて述べた。 
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