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ハッピークローバー

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第百二十一話 どう違うのかその十三

「それをするなんてね」
「考えられないわよね」
「こんなこと平気でするって」
「ナチスよね」
「ナチスだったらやるわよ」
 同級生は留奈に話した。
「そしてそのナチスみたいなことをよ
「イスラエルはやってるのね」
「そこに差別がないってね」
「言えないしね」
「そんなこと誰が認めるのよ」
「むしろやられた人達こそね」
「戦争をするにもよ」
 国家間ではどうしても起こる場合がある、国益を手に入れる為だ。戦争とは政治問題解決の為の一手段であるからその選択肢はどうしても存在するのだ。
「やっていいことと悪いことがあって」
「イスラエルはやって悪いことしてるわね」
「どう見てもね」
 そうだというのだ。
「だからね」
「あんたも言うのね」
「そうよ」 
 まさにというのだ。
「本当にね」
「そんなことはよね」
「許されないわ、日本はあんなことしたら駄目よね」
「戦争するにしても」
「非道なことは」
「しないことよ」
 絶対にとだ、留奈に言うのだった。
「間違ってもね」
「戦争でもルールあるっていうのはね」
「当然でしょ、自衛官の人達なんて」
 日本で戦うべき立場にいる人達の話もした。
「そんなことする?」
「しないわね」
 留奈もそれはと答えた。
「とても考えられないわ」
「災害救助の時見たらね」
「凄く真面目で良心的でね」
「被災した人達の中には外国の人達もいるけれど」
 このことは普通に考えられることである。
「けれどね」
「真面目によね」
「公平にね」
 国籍に関わらずというのだ。
「救助してるでしょ」
「そうよね」
「そのことを見たらね」
「自衛隊の人達って立派よね」
「ええ、ただね」
 同級生はこうも言った。
「その自衛隊に救助されても」
「文句言う人いるわね」
「その現場見てもね」
 そうしてもというのだ。
「来るなとかね」
「被災地にね」
「迷彩服着るなとか」 
 現実にこんなことを言う人が存在している、尚では誰が救助活動をするかというとまともな代案なぞない。
「言うのよね」
「酷いわよね」
「こんな人達こそね」 
 まさにというのだ。
「差別主義者よ」
「自衛隊の人達に対する」
「そうであってね」 
 それでというのだ。
「もう許せないわ」
「絶対にそうよね」
「誰だって助ける人達をね」
 震災に遭ってだ。
「そうしたこと言う人達ってね」
「最低よね」
「そう思うわ、自衛隊はイスラエル軍より立派でね」
「いいことしてるわね」
「絶対にね、そんな人達を差別することは」
「おかしいわね」
「差別自体がよくないしね」
 そもそもというのだ。
「まして差別反対とか人権とか言ってる人が」
「そんなこと言うなんて」
「本末転倒よ」
「本当にそうよね」
「何と言ってもね」
「そのことも覚えておくわ」 
 留奈は同級生に確かな声で応えた。
「差別はないに越したことはないし」
「戦争もそうでね」
「そうしたことも覚えておくわ」
 そうして生きていくとだ、留奈は同級生に言った。そして彼女の日常をこの日も生きていくのであった。


第百二十一話   完


                2024・2・8 
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