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八条学園騒動記

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第七百四十二話 童顔だとその五

「決死の張り詰めた」
「そんな表情だね」
「それでね」
「日本にある士官学校を見ても」
「人間ってね」
「考えていることが」
「もう緊張していて」
 常にというのだ。
「張りつめている状況だとね」
「そうしたお顔になるんだね」
「そういうことね、悪い環境にいて」
「悪いことばかり考えていたら」
「悪い顔になるしね、セドリックは悪い環境にいて」
 そうしてというのだ。
「悪いこと考えてしてきてないでしょ」
「そのつもりだよ」 
 こうウェンディに答えた。
「僕もね」
「そうよね、それがね」
「いいんだね」
「そう思うわ、しかし童顔なのは」
 彼の顔をあらためて言って話した。
「事実ね」
「中学生みたいな」
「そうよ、ただ老け顔よりは」
 そうした顔よりはというのだ。
「いいんじゃない?」
「そうだね」
 セドリックも言われて頷いた。
「そう言われたらね」
「そうでしょ」
「それはね」
 実際にと答えた。
「僕だってね」
「女の子は」
 ウェンディは自分の性別から話した。
「子供に見られる方が老けて見られるよりね」
「いいんだ」
「大人の女の人になると」 
 今の自分達より歳を経てというのだ、どんな時代でも命あるものは年齢を重ねていくものであるのだ。
「もうね」
「若いって思われて」
「見られることがね」
「一番いいんだね」
「少しでもね」
 実際の年齢よりもというのだ。
「そうなのよ」
「そうなんだ」
「私の従妹のお姉ちゃんも」
 今度は自分の血縁者の話をした。
「今二十七歳だけれど」
「年齢離れてるね」
「ええ、結婚して子供いるけれど」
「そうなんだ」
「二十六って言われたら」
 その年齢にというのだ。
「それだけでね」
「機嫌がよくなるんだ」
「けれど二十八って言われたら」
「一歳でもだね」
「そう言われるとね」
 その場合はというのだ。
「不機嫌になるのよ」
「一歳でも違うんだね」
「若く見られたくて」 
 そうしてというのだ。 
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