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第百二十一話 どう違うのかその一

               第百二十一話  どう違うのか
 留奈は食堂で昼食を食べようとしたところで普通科に行った中学一年の時に仲のよかったイスラッル出身の黒い神に青い目のロングヘアの娘に声をかけられてだ、驚きの声をあげた。
「あんた普通科でしょ」
「何言ってるの、うちの学園何処の食堂でも食べられるでしょ」
 イスラエルの娘は驚く留奈に笑って話した。
「それでよ」
「こっとに来たの」
「今日はね、実はね」
「実は?」
「普通科の食堂混んでたし」
 そうなっていてというのだ。
「おまけに食べられるのがね」
「なかったの」
「ほら、私ユダヤ教でしょ」
 自分の宗教の話をするのだった。
「だから何かとね」
「食べものの戒律がっていうのね」
「そう、本当にね」
 これがというのだ。
「あるからね」
「豚肉食べるなとか」
「イスラムが有名だけれど」
「最初はユダヤ教からよね」
「それで他にもあるし」
「チーズバーガーや親子丼食べられないし」
「親子関係にある食べものは同時にはね」
 こうしたものも禁じられているのだ。
「精進日とかもあるし」
「何かと厳しいわね」
「だから今日はね」
「こっちに来たのね」
「そうよ、それで今日はこっちでね」
 商業科の食堂でというのだ。
「おうどんいただくのよ」
「おうどんはいいのよね」
「別にね。きつねうどんね」
「私は鴨なんばのつもりだけれど」
 留奈はこちらのうどんを食べるつもりでもう食券も買ってある。
「それを食べるけれど」
「鴨ね」
「鴨といっても鶏だけれどね」
 留奈は笑って話した。
「流石に学校の食堂で本格的によ」
「鴨はないわね」
「割高だからね」  
 鴨肉は鶏肉に比べてだ。
「それでよ」
「まあそこは仕方ないわね」
「それで鴨なんばうどんとね」
 それにというのだ。
「お握りもね」
「いただくのね」
「そうするわ」
「私はきつねうどんだけにするわ」
 それだけだとだ、イスラエルの娘は留奈に答えた。
「それでここで会ったのも何かの縁で」
「それでなのね」
「一緒に食べる?」
「そうね、実は普段一緒に食べてる娘達お弁当で」
「あんたは学食ね」
「実はお弁当二限目の終わりに食べちゃったのよ」
 イスラエルの娘に苦い顔で話した。
「これがね」
「それでなのね」
「そうなの、それで今日のお昼はね」
「学食ね」
「そこでおうどんよ、いやあ育ち盛りで」
 笑ってだ、留奈はイスラエルの娘にこうも言った。 
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