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星河の覇皇

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第八十六部第一章 貴族達の嘲笑その六十四

「まずない」
「人間で救えない程まで愚かなら」
「それならばですね」
「それこそ神でもないと」
「それでもですね」
「そうだ、こうした愚か者はどうにもならない。それこそ何度でも騙される」
 今話したカルト教団以外にもというのだ。
「進歩しないからな、しかしこの教団は」
「この度のですね」
「伯爵が潰すべきと言われている教団はですね」
「どうなのか、ですね」
「そうだ、教祖は実に嫌な人物だ」
 カミュは眉を曇らせて言った。
「偉大な宗教家、この世を救う生き神と言っているが」
「救世神と同じとさえ言っていますね」
「自分こそがそれだと」
「その様にですね」
「しかしだ」
 それがというのだ。
「その実はだ」
「金と権力、政治的野心に満ちていて」
「その全てを手に入れようとしている」
「そうした俗物ですね」
「神と騙りながら」
「これはカルト教団の教祖の常だな」
 俗物であることはというのだ。
「聖者と騙っているが」
「その実は俗物である」
「俗世の欲のみが心の中にある」
「そうした輩ですね」
「私はこうしたタイプが一番嫌いだ」
 そうしたカルト教団の教祖の様なタイプがというのだ。
「だからだ」
「それで、ですね」
「ここで潰してですね」
「裁きを受けさせますね」
「そうする、世の中に悪人は尽きず」
 これは石川五右衛門が言った通りにだ、人間というものは常に善悪が存在していて悪に傾く輩も存在するのだ。
「そうした者達もだ」
「尽きないですね」
「カルト教団の教祖の様な輩も」
「そうなのですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「また出て来る」
「この輩をどうにかしても」
「それでもですね」
「またこうした輩は出てきますね」
「この世に」
「エウロパにもな」
 この国にもというのだ。
「出て来る、そして出て来た時はな」
「再びですね」
「潰す」
「そうしていきますね」
「確かに延々と出て来るがな」
 それでもというのだ。
「やはり多くの人間は学ぶ」
「そうした輩が出て来れば」
「その都度学んで、ですね」
「騙されない様になりますね」
「左様ですね」
「人は経験や見た知識から学ぶ」
 そうしたことからというのだ。 
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