| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十話 教会の仕組みその二

 事務所にいました、すると今日もでした。
 新一君がにこにことして詰所に入ってきました、陣す余にいる人達は皆笑いながら言いました。
「今日も来たね」
「そうですね」
「もうお約束ですね」
「日参ですね」
「全く」
 ここでお口がへの字になったのがわかりました。
「何で毎日来るのか」
「必要ないっていうんだね」
「ないじゃないですか」 
 どう考えてもです。
「だって学校行って」
「ひのきしんさせてもらってだね」
「はい、それでいいじゃないですか」
 考えてみるとです。
「別に」
「詰所に来ることはないね」
「それも朝と夕方」
 一日二回です。
「しかも休日まで」
「熱心だよね」
「学校や神殿はわかりますけれど」
 そちらはです。
「ですがそれでも」
「詰所はだね」
「何で来るのか」
 それがです。
「全くわからないんですが」
「阿波野君の立場で考えたらどうかしら」
 白石さんの奥さんが言ってきました。
「それならね」
「新一君の、ですか」
「ええ、何で毎日詰所に来るのか」 
 笑ってのお言葉でした。
「それをね」
「そうですね」
 言われた通り新一君の側に立って考えてみました、ですが。
 どうしてもわかりません、それでこう言いました。
「来る必要ないです」
「普通はね」
「普通は、ですか」
「千里ちゃんのお顔見に来てるって言ってるわね」
「はい」
 確かにそう言っています。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧