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金木犀の許嫁

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第八話 同居をはじめてその十五

「そうしたらいいわ」
「小説投稿サイトも馬鹿に出来ないですか」
「ええ。下手な思想書なんて読まないで」
「そうしたものを読むことですか」
「観てね」
「じゃあそうしていきます」
「是非ね。まあ何もない人はね」
 吉本隆明の様にというのだ。
「漫画でも小説でもね」
「何でもないですか」
「まともな生活送ってなくてまともな創作に触れてこないなら」
 それが漫画、特撮、小説、ゲーム、舞台、ドラマ、それこそ何でもだ。
「もう作品に出るわ」
「駄作になりますか」
「ここが変だよじゃなくて」
 そうではなくというのだ。
「全部変だよっていう」
「そうした作品になりますか」
「いじめ漫画を描いても」
 そうしてもというのだ。
「いじめが延々続いていじめキャラを贔屓するループ展開ね、まともなキャラが一人もいない」
「そんな作品何がいいですか」
 白華も聞いて呆れた。
「いじめが延々続くなんて」
「お話も変におかしなものばかりで」
「そうなのですか」
「ストーリーがね。変に奇をてらって」 
 そうしてというのだ。
「セオリー通りにしないことばかり考えて」
「いや、それではです」
「かえっておかしくなるでしょ」
「基礎は大事ですよね」
「どんなことでもね」
「忍術でもです」
 それを行う家の者として言うのだった。
「やっぱりです」
「基礎でしょ」
「それがしっかりしていませんと」
「どうにもならないわね」
「ランニングやジャンプにです」
「ストレッチよね」
「私も兄さんも毎日してますね」
 こう真昼に言った。
「そうですね」
「見ていたらね」
「基礎トレーニングです」
「そしてそれが大事よね」
「この三つが出来ないとです」
「忍術は出来ないわね」
「そして隠れることも」
 このこともというのだ。
「基礎です」
「忍術ではね、ストーリーでもね」
「基礎がありますね」
「セオリーは守らないとね」
「おかしくなりますね」
「そのおかしくなることばかりしてキャラは」
「さっきお話した通りですか」
 白華は顔を顰めさせて言った。
「もうそれはです」
「どうにもならないわね」
「はい」
 まさにと言うのだった。
「駄作も駄作です」
「もう読者さんから抗議が殺到して」
 そうなってというのだ。
「運営の人が更新の度に削除していく」
「凄いですね」
「そうなってるわ、本当にね」
 真昼は酒を飲んだ後のお茶漬けの用意をしつつ話した、最後はそれで〆るつもりで準備をしているのだ。 
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