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星河の覇皇

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第八十六部第一章 貴族達の嘲笑その六十

「わかる筈だ」
「今のエウロパでは連合に勝てない」
「戦争はすべきでない」
「国力の増長に努めるべきだと」
「わかる筈だ、しかしだ」
 それがというのだ。
「戦争をしろと極論を言いしかもエウロパ人至上主義だ」
「やたらと我々の優秀性を喧伝し」
「そして他者を貶める」
「特に連合ですね」
「そうしていますね」
「連合は確かに衆愚だが」
 このことはカミュも思っていることだ、連合市民がそうした者達であることはエウロパでは共通認識となっている。
「だが数が多くだ」
「そして稀にですね」
「優れた者が出ますね」
「あの国はそうですね」
「そうした国だからだ」
 それでというのだ。
「侮るとだ」
「痛い目を見ますね」
「愚かだとしても」
「侮ると」
「このこともわかる筈だ」
 連合の者達が侮れないこともというのだ。
「衆愚でもそれは仲間割ればかりしているからであってだ」
「技術は素晴らしいですね」
「そして多くの分野の学問も優れている」
「それが連合ですね」
「文系も理系もだ」
 どちらの学問もというのだ。
「優れている、芸術もだ」
「見るべきものがある」
「それが連合ですね」
「あの国ですね」
「連合の全てを侮蔑してはだ」
 それこそというのだ。
「墓穴を掘るのと同じだ」
「あの教団はそれがわかっていない」
「そして騙される者達もですね」
「わかっていませんね」
「過激な意見は注目されてだ」
 そうなってというのだ。
「染まる者もいる、だが染まる者はな」
「考えがないですね」
「無思慮と言っていいですね」
「左様ですね」
「そうだ」
 自分の前にいる者達に話した。
「愚か者達だ、だが愚か者も学ぶとな」
「賢くなる」
「改善の余地がある」
「そうした者が多いですね」
「どうしようもない愚か者もいるが」
 それでもというのだ。
「あくまでだ」
「それは少数ですね」
「少数がですね」
「全員がそうではない」
「大抵の人間は、ですね」
「自分の愚かさを見せられるとな」
 それならというのだ。
「それを自覚して恥じてだ」
「そこから賢くなりますね」
「反省して」
「行いをあらためる」
「見聞きするものも考える様になりますね」
「そうなる、愚か者と言っても様々だ」
 一口にこう言ってもというのだ。 
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