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神々の塔

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第六十話 酔いどれ詩人その十三

「これがやな」
「ヌワースさんの力やな」
 シェリルが応えた。
「これは幻術やなくてな」
「ヌワースさんが謡う世界やな」
「あの人の詩のな」
「それやね」
「敵はちゃんとおってな」
 自分達に迫る無数の戦士達はというのだ。
「そのうえでや」
「ヌワースさんもおるな」
「そや、それでや」
「攻撃してくるな」
「術でな」
「そうしてくるな」
「ああ、つまり私等は両方を相手にするんや」 
 戦士達とヌワースをというのだ。
「そうなるんや」
「左様、流石察しがいいな」 
 見れば場にヌワースもいる、相変わらずクッションの上で半分寝そべっていてそのうえでワインを飲んでいる。
「わしもいるぞ」
「やっぱりそうですか」
「そして術を使うぞ」
 綾乃に応えて話した。
「そうするぞ」
「それで同時に戦いますか」
「出した連中とな。さてどう戦う」
「戦士達は僕が私が引き受けるわ」
 リーが申し出た。
「術と神船と十絶陣でな」
「そうしてくれる?」
「任せてくれるか」 
 綾乃に対して話した。
「ここは」
「詩で謡われることは」
「そうしてくれるか、そしてな」
「残る九人でやね」
「ヌワースさんを相手してくれるか」
「リー君なら大丈夫や」
 綾乃はこのことを確信して話した。
「絶対に詩の方は防いでくれるわ」
「信じてくれてるんやな」
「伊達に起きた世界でも知ってて」
 同じ学校に通っていてというのだ。
「こっちの世界でもずっと一緒やさかい」
「それでやな」
「一度激しく戦って」
 覇者を決める勝ち抜けの決戦の時のことも話した、この時の戦こそが今の十星連合のはじまりに他ならない。
「一緒になって」
「それからやってきたな」
「同じ釜でご飯食べて、そして今も」
 この塔の中でもというのだ。
「そうやさかい」
「任せられるってか」
「確実にや」 
 まさにというのだ。
「やってくれるってわかってるで」
「そやねんな、ほなな」
「そっちは頼むで」
「お互いやろうな」
「神霊さんとの戦を、ほな皆それでええね」
 リーとの話が終わってだった、綾乃は他の仲間達に話した。
「ここは」
「ああ、やろうな」
「残る九人でな」
 中里と芥川が応えた。
「アブー=ヌワースさん倒すで」
「酔いどれの詩人さんをな」
「詩で謡われる世界はリー君が受け持ってくれるから」
 彼が言った通りにというのだ。 
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