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金木犀の許嫁

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第八話 同居をはじめてその二

「絶対にね」
「よくないですね」
「家族でもね」
 そうした間柄でもというのだ。
「けなすとね」
「自分に返ってきますね」
「やがてはね」
 そうなるというのだ。
「絶対にね」
「だからけなすことは駄目ですね」
「けなされる、罵られた人は覚えてるわよ」
「した方は忘れてもですね」
「された人が別格に執念深くて残忍な人だったらね」
 そうであるならというのだ。
「とんでもない復讐企むわよ」
「それも困った時にですね」
「そう、後ろからいきなりね」
「切りつけてきますね」
「人間憎しみで歪むとどんな卑怯なこともするから」
 だからだというのだ。
「憎い相手に復讐する為にはね」
「所謂復讐鬼ですね」
「そんな人をけなすかしたらね」
「自分が困った時絶対にですね」
「後ろからばっさりよ、しかもね」 
 さらにというのだ。
「それで終わらないから」
「徹底的にやってきますね」
「ほら、うちの理事長さんの一族が信者さんの天理教の教会だけれど」
 夜空は白華にあらためて話した。
「あそこの娘さんの後輩でね」
「あっ、天理高校の」
「そう、物凄く執念深い子がいて」
「確か高校二年なので」
 白華ははっとした顔になって応えた。
「兄さんと夜空さんと同じ歳ですね」
「教会の娘さんの先輩が何かしたらしくて」
「ずっと糾弾してるそうですね」
「それも本人さんに言うだけじゃなくて」
 その過去をというのだ。
「周りにあることないこと。その人の周りにまで言い回ってるから」
「思いきりその人の評判落としてますね」
「かなり酷いわよね」
「その人が例え何をしても」
 それでもとだ、白華はハンバーグと一緒に出されているサラダを食べつつ応えた、サラダもレタスやトマトが奇麗に切られいい感じだ。白華はそこに好きなドレッシングであるオニオンドレッシングをかけて食べている。
「あることないことね」
「周りに言い回ることは」
「明らかにその人を陥れるつもりだから」
「卑劣ですね」
「それも延々とやっていて」
 そうしてというのだ。
「ご本人にも言うしね」
「昔やってしまったことを」
「人って自分の過去言われるの嫌でしょ」
「はい、凄く」
「どうも嫌いな相手の嫌がることを徹底的にやる子みたいで」
「そんなことしていますね」
「世の中こんなことする人もよ」
 まさにというのだ。
「いるから」
「けなさないことですね」
「こんな人けなしたら絶対に覚えていて」 
 けなされたことをというのだ。 
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