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神々の塔

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第六十話 酔いどれ詩人その八

「惑って迷って」
「どうしてもな」
「けどそれでも」
「前に進むな」
「そうやね、そしてそうした人は」
「魅力あるな」
「何の努力もせえへんで」
 綾乃もそうした輩の話をした。
「ふんぞり返って偉そうにしてるだけやと」
「何の魅力もないな」
「そうした人は誰からも相手にされへんで」
 そうなってというのだ。
「見捨てられるわ」
「そうなるな」
「そやから惑っても迷っても」
「間違えてもな」
「前に進むことやね」
「努力してな」
「そうやね」
 トウェインに考える顔で述べた。
「そうせんとあかんね」
「今のわい等もな」
「正直迷うけど」
 壁と床、天井を支配する虹色の光を見つつ話した。
「これにめげんで」
「それでな」
「前に進もうね」
「そうしよな」
「そして」
 そのうえでというのだ。
「神霊さん達のとこにも行こうな」
「次に戦う」
「そうしよね」
「そやな」 
 まさにとだ、トウェインも頷いた。
「わい等も」
「そうしていってとりあえず」
「どないした?」
「もう時間やで」
 綾乃はトウェインに穏やかな声で話した。
「お昼ご飯の」
「ああ、もうそんな時間か」
「そやから結界張って」
 そうして獣やモンスターを退けて襲われない様にしてというのだ。
「そのうえで」
「飯にすべきやな」
「そうしよね」
「今日のお昼は何か」
「お餅やで」
 笑顔でだ、綾乃はトウェインに答えた。
「日本のな」
「それか、ええな」
 日本の餅と聞いてだ、トウェインは笑顔で応えた。
「わいあのお餅も好きやからな」
「トウェイン君はそやね」
「ああ、中国の餅は二種類あって」
 この国でそう呼ばれる料理の話もした。
「餅米から作るお餅とな」
「小麦粉を練って焼く餅な」
 その中国人の羅が笑って応えた。
「それもあるな」
「そやな」
「ずっと中国は南北で主食が違ったからな」
「南、長江流域がお米でな」
「北、黄河流域が麦やった」
「そやったな」
「淮水で分かれる」
 その主食の範囲がだ。 
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