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おぢばにおかえり

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第七十九話 残さないことその二十三

「それでもね」
「おみちの人として立派な方ですね」
「そうよ、人の道は絶対に間違えない」
「そうした方ですね」
「私の尊敬している人のお一人なの」
 このことは実際にです。
「ああなりたいとね」
「思われていますか」
「ええ、贅沢とは無縁でね」
「奥華の人って贅沢しないですしね」
「誰もそうでしょ」
「はい、僕も沢山食べられますと」
 新一君もこう言いました。
「それで、です」
「いいのね」
「衣食住そんなにこだわらないつもりです」
「新一君はそうね」
 私が見てもです。
「こだわらないわね」
「服は特にですね」
「着られたらいいのね」
「破れたい穴が開かないと」
 それならというのです。
「着ますね」
「そうするのね」
「はい、食べものも残さずで」
 そうしてというのです。
「使えるものは最後まで」
「いいことね、そこまで考えてるのね」
「いや、父方の」
「大嫌いなお祖母さんね」
 もう誰かすぐにわかりました、思えば新一君とのやり取りはわかりやすいです。
「その人に関係あるのね」
「食べものはただ安いもの適当に買って」
「献立考えないの」
「家事自体嫌いで何でもしてやってるって考えなんで」
「それでただ買うだけね」
「それで使わないものよく腐らせるんで」
 だからだというのです。 
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