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八条学園騒動記

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第七百四十話 スポーツ新聞とタブロイドその八

「その甲羅に似せて穴を掘るわね」
「そうだな」
 テンボも気付かず応えた。
「そうするな」
「その人の器に相応しい行いをして」
「読むものもな」
「器に相応しいものね」
「俺達は推理小説を読んでだ」
「推理漫画もね」
「そうするが」
 しかしというのだ。
「馬鹿はな」
「そうするのね」
「そして馬鹿は常にな」
 まさにというのだ。
「何時でもいる」
「何処でもね」
「だから需要もある」
「そんな碌でもないものでも」
「だが俺達は違うな」
「当たり前でしょ」
 ジャッキーの返事はわかりきっていうというものだった。
「そんなことはね」
「そうだな」
「あたし達は名探偵よ」
「天才と付くな」
「だったらね」
 それならというのだ。
「そんなの読まないし」
「騙されないな」
「悪意とか偏見はね」
「推理には禁物だ」
「脳内関係者とか酒場の関係者とかね」
「関係者でも何でもない」
「安楽椅子に座っても」
 ポワロやネロの様にだ。
「確かにお話を聞いて」
「そうしてだな」
「そのうえで考えるのよ」
「正確な商法を手に入れてな」
「それを全て頭に入れて」
「考えるな」
「ポワトリンさんもね」
 ポワロもというのだ。
「そうしてるし」
「それで事件を解決している」
「だったらね」
「俺達もだ」
「あの人達の弟子だし」
「ホームランさんともな」
 ホームズである。
「そうだしな」
「世界のあらゆる名探偵の弟子として」
「弟子の名に賭けてな」
 そのうえでというのだ。
「そんな本読むか」
「何があってもね」
「貴族の戯言とだ」
 エウロパのというのだ。
「タブロイドはな」
「読まないことね」
「イエローペーパーはな」
 俗にタブロイドはこう呼ばれるのはこの時代でも同じである。
「読んでもだ」
「何も得られないどころか」
「害だ」
「それになるわね」
「そうなるからな」
 だからだというのだ。 
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