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わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

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14-6-1

 当日、ウチ等の試合は第2試合に組まれていたので、サブグラウントで軽く練習をした後、試合会場に出て行くと、スタンドには、大勢の応援の人達が居たのだ。(飛んで 跳ねろ 桜中) の横断幕も・・・みんなで50人位は居るのだろか。大応援団なのだ。端のほうでは、颯君が (進め!キャンキャンズ) と書いた旗を振っていた。

「なんか すごいことになってるなー」と、泉希に話し掛けて

「だねー でも ウチ等 ここまで来たんやなーって 実感するネ いくでー みゅん まだ 目標の途中や!」 私達は、今日は大阪選抜のジャージなのだけど

「そやな ここで 跳んで、跳ねやなーな 目指せ全国やものなー」

 試合は、璃々の浅いキックから始まって、栞奈が強烈なタックルをして、こぼれたボールを美鈴が拾い上げて、彩とラックに持って行って、直ぐに私に出してきた。私は、そのまま流れ気味で相手のスタンドオフを目掛けて走って、泉希を飛ばして璃々に・・・突っ込んで行った璃々の後ろをフォローしていた泉希に渡って、泉希は相手のウィングを引き付けておいて、切り込んできた鈴花にパスを・・・フリーになった鈴花は中央付近にタッチダウンしていた。アドバンテージのまま、開始早々のトライだった。その後も、殆ど相手陣地で攻め続け、前半終了間際には、私がダミーで泉希にパスを送るふりをして、ブラインドサイドに突っ込んで行って、彩が私を支えながら押し込んでタッチダウンしていた。前半を終えて、24-0だった。応援席もすごい盛り上がりだったのだ。

「いいかー 後半はブラインドサイド警戒な! それと、みゅん 深いキックでくるかもしれん バックアップな! フォワードもな よし! 思い切ってやってこい!」と、ハーフタイムの時にコーチから注意されていた。

 案の定、始まって相手はブラインド側を攻めてきて、私と泉希が防いでいたけれど、そのうち、ブライド側に居るスタンドに渡ったボールを、私達のバックスラインより深い所にキックしてきた。追いかける璃々と鈴花だったけど、璃々が追いついた瞬間、二人がかりで向こうのタックルを浴びて、奪われてそのままトライを許してしまったのだ。

「ごめん ウチが戻るの遅れてしまってー」と、鈴花がみんなに謝っていたけど

「ドンマイ ドンマイ 向こうの作戦勝ちや 気にせんと攻めるでー」と、璃々が気合を入れていた。そして、私と泉希には「鈴花にボール廻していこー 落ち込まんよーせんとな!」と、気遣いしていた。

 その後は、私が突っ込み気味に泉希から璃々、そして、私が璃々のフォローしていって、最後は鈴花を走らせていったりして、立て続けに3トライを挙げていたのだ。終わってみると、43-7の圧倒的勝利だったのだ。

「いやー その なんだ 君達には5月に見たときにも驚かされたが さらに進化しているなー 君達だけでチームを組もうと言った時、反対する人も居たんだがー 押し切って正解だったよ 特に、バックスのコンビネーションが素晴らしい 最初のトライはサインがあったのかな?」と、根来コーチが

「あの時は・・・ みゅんが流れてきたから、このままじゃぁ詰まると思ったから、ウチは璃々の後ろに回るようにしたんです」

「そうそう 泉希が外れたのわかったから、きっと みゅんはウチにパスしてくるって・・・それで、ウチから泉希に後ろパスしたら、ウィング目掛けて走ってくれたんやー」と、璃々も続いて答えていた。

「そうか サインじゃぁなかったのか・・・ その後のウィングだ 鈴花 どうして内側に切り込んだんだ?」

「だって あのままじゃぁ 多分 ライン際で追い詰められるって感じたから・・・切込んで泉希からのパスをもらえば相手の逆だし、突破できるって・・・」

「ふむー 確かに・・・ びっくりしたのは その後だ 次にタックルにきた相手に対して 一歩下がったな そして、ダッシュだ あんなの なかなか出来ないぞー」

「う~ん いつも 朝陽を見てるから 見習ってるからカナ エヘッ」

「うーん 朝陽なぁー あいつはすごいな あいつの場合 タックルにきた相手に対して横に飛ぶんだよなぁー まだ、2年なんだろ 僕が見た限り 1対1でタックルされたことは無いんじゃぁないかな ぶつかってこられて、ラインに押し出されたことはあったが・・」

「そーだよ 朝陽はキャンキャンズの絶対的エースだもん 朝陽まで回れば、必ずトライ ゲットできるんだぁー」と、私達が言い合っていると

「キャンキャンズなぁー ・・・ 来年は 大阪の全国制覇 出来る かもな」と、根来コーチは独りでぶつぶつ言っていた。

 だけど、私は心の中で (なんで大阪だよー 私達は このメンバーで・・・ 市の代表選抜チームとして 全国に行くんだよー) と、野望を抱いていたのだ。
 
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