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スポーツの神

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第二章

「スポーツの神ではだ」
「なかったな」
「お主は元の農業も司っておるが」
「そなたはもう戦いというとな」
「スポーツだ、スポーツは戦いではない」 
 このことを言うのだった。
「断じてな」
「それはそうだな」
「だが今の人間達はな」
「同じにしているな」
「わしはあらゆるスポーツに通じ」
 そうしてというのだ。
「楽しみ人に勝利と栄光をもたらす」
「そうした神になっているな」
「戦いを乗り越えるべき試練としてだ」
 そう定義してというのだ。
「行うものとはな」
「考えないな」
「今の人間達はな」
「それはスポーツになった」
 そうだというのだ。
「生贄ではなくな」
「人のな」
「捧げものとなりだ」
「何かの肉を捧げるな」
「それはよい」  
 別にというのだ。
「信仰があればな」
「人間達のそれがな」
「しかし戦いがないからスポーツか」
「それに勝たせて欲しいとはな」
「人間達も変わった、この前メキシコのワールドカップの選手達が来てだ」
 自分の神殿にというのだ。
「牛のステーキ肉を持って来てな」
「それでだな」
「次の試合勝たせて欲しいと言ってきた」
「そうなのか」
「その願いは受けたが」 
 それでもというのだ。
「信仰も変わるな」
「時代によってだな」
「そのことを痛感している」 
 ケツアルコアトルにどうにもという顔で話した。
「信仰が復活してからな」
「それからはか」
「うむ、兎角色々な者がな」
「スポーツの試合で勝たせて欲しいとだな」
「言って来てな」
「そなたを信じているな」
「そうしている、神は信仰に応えるものだからな」
 それが自分達の義務だからだというのだ。
「応えているが」
「思うところはどうしてもあるか」
「昔と比べてな」
「そうか」
「今も七面鳥に変装するのが好きでな」
 テスカトリポカはこうも話した。 
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