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脛毛の妖精

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第三章

「誰もがな」
「歳を取るね」
「そうじゃ、これでわかったな」
「実際にこの目で見たからね」
「そうであるな」
「よくね」
 まさにというのだ。
「そうだよ」
「それは何より。わし等も見てもらって触れ合うならな」
 それならというのだ。
「よく知ってもらいたい」
「それでなんだ」
「今もこうして話しておる」
「そうなんだね」
「それで知ってもらって何より」
 そうなってというのだ。
「まことにな、ではこれからもここに来たらな」
「この森に」
「宜しくな」
「こちらこそね」
「この通りだよ、フェアリーもだよ」 
 マッケーシーも南郷に横から話した。
「年齢や性別もあって」
「それでだね」
「その辺りは人間と変わらないよ」
「そだね、妖精であっても」
「人間と同じ部分もあるよ」
「よくイメージされている通りでもないね」
「美少女や美少年ばかりかというと」
 よくあるファンタジーなイメージ通りというのだ。
「それはね」
「違うね」
「そうだよ、だからね」
 それでというのだ。
「その辺りを知ってくれると嬉しいよ」
「妖精を見て触れ合うなら」
「それならね」
「わかったよ、じゃあこれからはそうした認識を持つし」
 フェアリーについてというのだ。
「それでね」
「そのうえでだね」
「イギリスにいる間気が向けばね」
「この森に来てだね」
「彼等と一緒にいるよ」
「そうするんだね」
「そうさせてもらうよ」
 マッケーシーに確かな笑顔で答えた、そしてだった。
 南郷はイギリスにいる間よくこの森に入って妖精達と触れ合った、老若男女いる彼等と一緒にいる時間はとても楽しかった。彼等に皺があっても脛毛が生えていてもだった。彼等もまた彼が興味を持っている妖精だったので。
 それで日本に戻る時にマッケーシーに言った。
「色々勉強になったけれど妖精のこともね」
「勉強になったね」
「凄くね、いや養成にも年齢があって」
「人間と変わらない部分もある」
「それも知れてよかったよ」
「それは何よりだよ、それじゃあね」
「また機会があれば来るから」
 友人となった彼に笑顔で言った。
「その時またね」
「一緒にだね」
「遊んだりして」
「あの森にも行って」
「それで楽しませてもらうよ」
 友人となった彼等のことを思いつつ言った、そうして彼等との再会も願いつつ日本への帰路に着いたのだった。


脛毛の妖精   完


                2023・7・15 
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