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星河の覇皇

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第八十六部第一章 貴族達の嘲笑その三十四

「人口の極みだ、その連合も人を粗末にしていない」
「全くですね」
「一人からさらに増やそうとしますし」
「二人、三人と」
「労働条件も環境も整え」
「労働時間も定めていますね」
「働けるだけ働かせてそして放り捨てる」
 つまり使い捨てにすればというのだ。
「やがてはだ」
「人材がいなくなりますね」
「そうしたことをしていては」
「果ては」
「ソ連は戦争に勝った」 
 第二次世界大戦にだ。
「だがその後どうなったか」
「成人男子を使い捨てとして戦場で戦死させ」
「成人男子が極めて少なくなりました」
「そして大戦後の国家運営に深刻な問題を抱えました」
「そうなりましたね」
 冷戦期はひた隠しにしていたがだ、官僚達も言った。
「まさに」
「それも人を使い捨てにしたからですね」
「ですが我々はですね」
「そうはしないですね」
「何があってもな」
 それこそとだ、カミュは答えた。
「それはしない、だからな」
「労働時間も環境も条件もですね」
「常にチェックする」
「勿論給与も」
「それもですね」
「最低賃金はそろそろ上げる」 
 その様にするというのだ。
「その時が来た」
「だからですね」
「その様にして」
「国民の生活レベルもですね」
「それもな」
 そちらもというのだ。
「よくしていく」
「生活がよくなってこそですね」
「市民のそれが」
「それが国家の正しい発展ですね」
「そうですね」
「国が富んでも民が貧しい」
 そうした状況はというのだ。
「経済は動かない、だからな」
「意味がないですね」
「発展しても市民の生活がよくないと」
「だからですね」
「よくしていきますね」
「連合の生活なぞだ」
 敵である彼等のそれはというと。
「スラム街にいると言われていてもだ」
「それでもですね」
「我々よりもさらにいい生活ですね」
「数百年も先に進んでいて」
「そしてものも豊富ですね」
「あの国の豊かさが出ている」
 市民生活にもというのだ。
「スラム街の住人達ですらな」
「我々の生活がいいという意見もありますが」
「余裕があると」
「しかしですね」
「豊かさという点では」
「違う」
 連合とは、というのだ。 
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