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金木犀の許嫁

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第六話 同居のはじまりその十

「男女平等、贔屓はしないで」
「女の人にも変なことしない」
「そうした考えなのね」
「そうだから」
 それでというのだ。
「安心していい」
「よかったわ、幾ら許嫁でもね」
 それでもとだ、夜空も笑顔で応えた。
「そうしたことをしないならね」
「いいんだ」
「覗くなら」
 それならというのだ。
「もう堂々とね」
「堂々とって」
「お部屋に来ればいいから」
 こう言うのだった。
「私だってね」
「お部屋にって」
「夜這いは怖いけれど」
 このことは顔を赤くさせて言った。
「けれど普通に来てそのうえでなら」
「いいんだ」
「うん、ただ佐京君って」
「それもとんでもないから」
 今度は佐京が顔を赤くさせて言った。
「絶対に」
「そんなことしないのね」
「そんな勇気ないから」
「勇気なの」
「早いと思うし」
 このこともあってというのだ。
「多分勇気」
「そうなるの」
「それで」
「高校生の間は」
「いいから」
「そうなのね」
「まあそうしたことはお互いにお話してね」
 真昼は二人を見て笑って話した。
「ゆっくりとね」
「私達でなの」
「二人のことだからね」
 姉として温かい笑顔で言うのだった。
「だから」
「どうするかは」
「考えてお話してね」
 そのうえでというのだ。
「やっていけばいいのよ」
「そうなのね」
「私は言わないから」
 こう妹に言った。
「一切ね。ただね」
「ただ?」
「わかってると思うけれど子供は駄目よ」
 笑っての言葉だった。
「赤ちゃんはね」
「あの、お姉ちゃんちょっと」
「それはないですから」
 夜空も佐京も顔を真っ赤にさせて否定した。
「俺達とても」
「そんなことしないから」
「間違ってもです」
「赤ちゃんなんて」
「いやいや、あるから」
 真昼はこう返した。
「現実にね」
「高校生でもなの」
「子供が」
「極端なこと言うと中学生でもよ」
 それでもというのだ。 
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