夢幻水滸伝

「これからもです」
「そうしてですね」
「ことを収めて頂いて欲しいです、よりです」
「より？」
「何でしたらうちの店だけでなく」
　店長はスタインベックに真顔で話した。
「ラスベガス全体においてです」
「用心棒つまり治安をですか」
「担って欲しい位です」
「それやとです」
　スタインベックは店長の話を聞いて考える顔になって答えた。
「もう政ですね」
「そうですね、では市長さんとです」
「お話しますか」
「そうされてはどうでしょうか」
「このラスベガスの治安をですか」
「担ってくれますか」
「ほな市長さんとお話します」
　それならとだ、スタインベックは頷いた。そうして翌日ラスベガスの市庁舎を訪問して翼人の若い女の市長に会うとだ。
　市長は是非にとだ、彼に答えた。
「この街に星の方がおられるとは聞いてましたが」
「こうしてですか」
「来て頂けるとは思ってませんでした」　
　そうだったというのだ。
「それならです」
「はい、そうしてええですね」
「宜しくお願いします、むしろ」
　市長はスタインベックにさらに言った。
「治安だけでなく町全体のことを」
「その政をですか」
「担ってくれますか」
「ほな旗揚げしてですか」
「そしてです」
　そのうえでというのだ。
「一つの勢力としてです」
「統治をですね」
「やってくれますか」
「そうですね」
　少し考えてからだ、スタインベックは答えた。
「そうさせてもらいます」
「では」
「これからはです」
「勢力の棟梁としてですね」
「やらせてもらいます」
「今ネバダ州はそれぞれの街や村に分かれていてです」　
　市長はスタインベックの言葉を受けてからさらに言った。
「そしてです」
「そのうえで、ですか」
「はい、互いに衝突することもあり」
「物騒ですね」
「賊やモンスターもいますし」
「ほなです」
　スタインベックは市長の言葉を聞いて答えた。
「州を統一しまして」
「統治されますか」
「そしてです」
　市長にさらに話した。
「そのうえで、です」
「賊やモンスターもですね」
「征伐していって」
「そちらの治安もよくしていきますね」
「そうしていきたいです」
　こう言うのだった。
「政やと、あとです」
「あと？」
「孤児院作りたいです」　
　市長に真剣な顔で言った。
「そこに確かな人達を置いたうえで」
「孤児院ですか」
「はい、困っている子供はいますね」
「このラスベガスでも、我々も何とかしようとしていますが」
「限度がありますね」
「予算と人手、それに能力が」
　そうした諸問題があってというのだ。