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星河の覇皇

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第八十六部第一章 貴族達の嘲笑その二十八

「比較的新しい諺ですが」
「面白い諺ですね」
「そして実際にです」
「このクレープもですね」
「外にフルーツと生クリームもありますが」
「それだけでなく」
「さらにです」
 まさにというのだ。
「クレープの中もです」
「素晴らしいですね」
「尚生地は蕎麦粉です」
「小麦粉ではなく」
「本格的に」
 クレープは本来蕎麦粉を使うものだ、それでというのだ。
「ですから」
「蕎麦粉を使ったもので」
「その中もです」
「素晴らしいのですね」
「クレープは最高のお菓子の一つかと」
 カミュは微笑んでこうも話した。
「多くのお菓子の中でも」
「首相はかなりクレープがお好きと聞いていますが」
「はい」
 否定しない、そうした返事だった。
「まさに」
「だからですか」
「今の様に申し上げましたし」
「これからもですね」
「口にします」
 その様にするというのだ。
「これより」
「左様ですね」
「では」
「はい、今からですね」
「食べましょう」
 全員でとだ、こう話してだった。
 実際に客人達はカミュと共にそのデザートを食べはじめた、クレープをフォークとナイフを使って中身も食べると。
 その中身はアイスクリームだった、客人達はそのアイスを口にして言った。
「これは」
「また素晴らしいアイスですね」
「他のアイスとは違いますね」
「素晴らしい味です」
「パティシェ自慢の一品です」
 カミュが召し抱えているその者のというのだ。
「これは」
「左様ですか」
「確かに自慢していいものですね」
「メニューとしてはオーソドックスにしても」
「この味は」
「確かにクレープとアイスクリームの組み合わせはよくあります」
 カミュはこれは普通だと述べた。
「ですが最高のクレープとアイスクリームが一つになり」
「そしてですね」
「他のものが備われば」
「そうなればですね」
「この様にですね」
「最高の味になりますね」
「オーソドックスな料理こそが重要である」
 カミュは微笑んで言った。
「それがどれだけ美味く出来るか」
「それがですね」
「料理人の腕の見せどころで」
「それで、ですね」
「首相のパティシェもですか」
「はい、この様にです」
 まさにという口調での言葉だった。 
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