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八条学園騒動記

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第七百三十九話 スパイは何処にいるその六

「そうだな」
「そうよね」
「それが出来るのがな」
 それがというのだ。
「連中なんだな」
「頭悪いわね」
「ちょっといい時代があってな」
「そこでやりたい放題やってね」
「人を散々殺して」
 大航海時代から二次大戦までの大航海時代を総括して言うのだった。
「それでだ」
「そう思えるなんてね」
「ある意味滑稽でだ」
「馬鹿よね」
「全くだな」
「そんな連中と誰が一緒になるか」
 タムタムはここで唾棄する様にして言った。
「もう絶対にな」
「なりたくないな」
「何がなってもね」
「連合の人間なら思うことだ」
 それこそというのだ。
「そんなことはな、だが」
「だが?」
「だがっていうと」
「やはりどう考えてもな」
 それでもというのだ。
「エウロパのスパイはここにはいない」
「可能性はゼロだな」
「有り得ないわね」
「やや小柄でもな」
 エウロパの者は連合の者と比べてそうであることも話した、連合の成人男性の平均身長は一九〇でエウロパは一八〇であるのだ。
「それだけでだ」
「言えないな」
「エウロパのスパイなんて」
「背丈で判断することはな」
 タムタムはさらに話した。
「やはり無理がある、ただ」
「ただ。何だ」
「どうしたの?」
「エウロパの奴等は白人だからな」 
 それでと言うのだった。
「マハラジャタウンには隠れやすいな」
「ああ、そうだったな」
「マウリアの人達って白人だったわね」
 二人も言われて頷いた。
「骨格観たらね」
「そうだったな」
「そう言えばお顔立ちもね」
「純粋な白人だな」
「元々アーリア人だ」
 マウリアの者達はというのだ。
「古代に移住してだ」
「定住してだな」
「それでマウリアの人達になったわね」
「人種的にはドイツ人と同じだ」
 科学的にこのことは確認されている。
「だからヒトラーもだ」
「マウリアに好意的だったか」
「同じだから」
「ヒトラーはゲルマン民族をアーリア人と呼んでいたが」 
 ナチスの人種論の根幹を為す主張である、尚ナチスは人種論ばかり言われるが実は社会主義政党であることは連合ではあまり言われない。
「まさにな」
「マウリアの人達はか」
「アーリア人で」
「それで白人だな」
「そうなのよね」
「ずっと暑い国にいて色素は変わった」
 体の中のそれはだ。 
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