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星河の覇皇

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第八十六部第一章 貴族達の嘲笑その十九

「潰し合いはです」
「させない」
「そうなのですね」
「どちらも用い続ける」
「そうしますか」
「タレーランは贅沢を知りかつそれを極めていたので」
 その為にというのだ。
「そうした考えにも至ってです」
「実行に移せた」
「そうなのですね」
「彼は」
「しかしそこまでの贅沢は」
 とてもというのだ。
「私も贅沢を知り極めていましても」
「出来ない」
「左様ですか」
「犠牲には出来ない」
「そのヒラメを」
「そこは性分でしょうか、それとも欲があるのか」
 自分にといううのだ。
「そのことは」
「欲があるから捨てられない」
「一匹のヒラメも」
「そして人材もですか」
「首相の場合は」
「その様です、タレーランは贅沢を極めていて溺れませんでしたが」
 それを楽しんでいたのだ、溺れる者はそれかでで楽しむ者が真というがタレーランはそうした者だったということか。
「しかし欲はなかったのかも知れません」
「そういえばそうですね」
「賄賂を取っても頼まれたことが出来なければ返したといいますし」
「然程欲自体はなかった」
「そうかも知れないですね」
「ですが私は違いまして」 
 それでというのだ。
「やはりです」
「ヒラメは捨てられませんでしたか」
「そうでしたか」
「それで、ですか」
「これから出されますか」
「我々に」
「そうさせてもらいます、まずはです」
 客人達に笑って話した。
「カルパッチョを」
「それをですか」
「まずは出して下さいますか」
「そちらを」
「そうさせてもらいます、そしてワインも」
 こちらもというのだ。
「今は赤をお出ししていますが」
「白ですね」
「そちらになりますね」
「お魚ですので」
「左様ですね」
「やはり魚介類にはです」
 これにはというのだ。
「白ですね」
「はい、確かに」
「他のものとなりますと」
「ワインは合いません」
「魚介類には白です」
「他のワインは巻がられないです」
「ですから」
 それでというのだ。
「この度はです」
「わかりました」
「ではですね」
「ワインも変わり」
「そのうえで」
「ヒラメを楽しんで下さい」
 客人達に話した。 
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