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八条学園騒動記

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第七百三十八話 銀の薔薇その十一

「持ち出してる人がいて」
「それでなの」
「マウリアからね」 
 この国を経由してというのだ。
「密売されていて」
「あるの」
「そんな噂がね」
「事実だったら大変ね」
「ええ、けれどね」
 これがというのだ。
「こうしたお話ってね」
「聞くわね」
「時々ね」
 彰子も七海も言った。
「マウリアからこっそりね」
「エウロパに何かといってるて」
「生きものとか植物とか」
「技術だってね」
「何かマウリアって国自体が」
 連合の同盟国であるこの国がというのだ。
「あそこエウロパとも仲いいし」
「こっそりなのね」
「そうしたもの渡したりしてるのね」
「密輸、密売業者もいて」
 そうしてというのだ。
「やってるってね」
「噂があるのね」
「銀の薔薇にしても」
「そうみたいよ、スパイもね」
 彼等もというのだ。
「いるでしょ」
「若しかして」
 彰子はふと思った。
「私達の傍にも」
「スパイいるの?」
 七海はその彰子に怪訝な顔で尋ねた。
「まさか」
「そのまさかかもね」
「ないでしょ、流石に」
 七海はこう返した。
「学校観てもね」
「仕方ないかしら」
「こんな植物園観てもね」
「密売するなら兎も角」
「そりゃ密売業者だったら」
 今レミが話した様なというのだ。
「売れる植物チェックする為にね」
「来ることあるの」
「けれどスパイって」 
 この立場の者達はというと。
「あれじゃない、政治とか軍隊とか」
「そういうお話だから」
「学校に行ってもね」
 それでもというのだ。
「仕方ないでしょ」
「そうなのね」
「学校観ても何になるのよ」
 当然大尉や上等兵のことなぞ知らない、それで七海は彰子に有り得ないといった顔と声で言うのだ。
「植物園とか動物園とか」
「水族館に美術館に」
「博物館もね」
「鉄道博物館もあるわね」
「うちの学園にはね、けれどね」
「そういうの観ても」
「鉄道博物館にあるものなんて」
 それはというと。
「何でもないでしょ」
「何処でもあるものね」
「連合どころか他の国でもね」
「エウロパでも」
「そうよ、技術盗むなら」
 それならというのだ。 
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