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おぢばにおかえり

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第七十九話 残さないことその十四

「そうですよね」
「そうよね」
「それで今度です」
「自由軒のカレー食べてなのね」
「それでその後で」
「夫婦善哉ね」
「そこに行きません?他に関東煮も」
 こちらもというのです。
「どうですか?」
「関東煮っておでんよね」
 私もこの食べものが何かは知っています。
「元々関西はおでんはお味噌で」
「あっちじゃだしですね」
「そうみたいなのよね」
 おでんも関西と関東じゃ違います、鰻を焼くこともそうですしお蕎麦のおつゆもです。同じ日本のお料理でも何かと違います。
「どうも」
「それでそのです」
「関東煮のお店もなのね」
「あるんですよ」
「織田作之助さんが行っておられた」
「はい、織田作さんですね」
 新一君はここでこう言ってきました。
「仇名は」
「略してなのね」
「昔からこう呼ばれていまして」
 それでというのです。
「今もです」
「そう呼ばれてるのね」
「愛称で呼ばれる作家なんです」
 織田作之助さんという人はというのです。
「作品もお高く止まってないですし」
「庶民的とか?」
「はい、そうです」
 まさにその通りだというのです。
「大阪の街の人達を書いてます」
「そうなのね」
「あちこち彷徨って」
 新一君はカレーを食べつつさらにお話してくれました。 
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