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星河の覇皇

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第八十六部第一章 貴族達の嘲笑その十

「施行覚悟を重ねてです」
「そうしてでしたね」
「ようやく順調に増加する様になった」
「そうでしたね」
「連合の国々も」
「そうでした」
 まさにというのだ。
「そう考えるとです」
「我々もですね」
「連合の様に増加するか」
「そのことはですね」
「普通に行えばです」
 その場合はというのだ。
「容易ではなかったでしょう、ですが」
「ギルフォード総統ならですね」
「あの方ならですね」
「その政策もですね」
「果たして下さいますね」
「はい」
 まさにというのだ。
「あの方なら、そして私はです」
「その総統をお助けする」
「エウロパの首相として」
「そうされるのですね」
「そうです、私だからこそです」
 カミュは笑って言った、そこには自信があった。
「今のエウロパ首相にです」
「なれる」
「そして務まる」
「そう言われますね」
「左様です」
 まさにというのだ。
「私ならば。今の状況もです」
「エウロパのそれも」
「それもですね」
「やがてはですね」
「一変しますね」
「エウロパにとってよい状況に」
「今の我々は言うならば明治維新の中にいます」
 今のエウロパはというのだ。
「日本のあの時代です」
「連合で最も忌まわしい三国の一つですね」
「米中に続いて」
「第二次世界大戦で我々の栄華を打ち砕いた国ですね」
「植民地を奪って独立させた国ですね」
「私もあの国は忌まわしいです」
 カミュもこう思っていることを告白した。
「実に」
「左様ですね」
「あの国は」
「我々をあっという間に凌駕したアメリカも」
「古来より大帝国の中国も」
「どの国も忌まわしいですが」
 この両国と共にというのだ。
「日本も、ですね」
「我々の栄華を壊してくれました」
「二次大戦は痛恨でした」
「我々が栄華を失った」
「実に忌まわしい戦争でした」
「東南アジアに攻め寄せてきて」
 カミュはここではフランス人として話した、フランスもかつてはアジアやアフリカに多くの植民地を持っていたのだ。
 だがその植民地をだったのだ。
「植民地の独立だの言って」
「我々を追い出し」
「そして独立させました」
「誇りどころか戦争尾仕方まで教えて」
「そして彼等が我々と戦う様にしました」
「そのことを思いますと」
「実に忌々しい国です、しかもです」
 カミュは忌々し気にさらに述べた。 
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