| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十九話 残さないことその十一

「何か最近ね」
「どうかしたんですか?」
「毎日みたいに新一君とお顔を見合わせていて」
 そうしてです。
「日曜のお昼はね」
「一緒にカレー食べてますね」
「ええ、どういう訳かね」 
 思えばです。
「そうしてるわね」
「嫌ですか?」
「嫌じゃないけれど」
 それでもです。
「何かふと思ったのよ」
「そうですか」
「そうなってるわってね」
「嫌じゃないなら嬉しいです」
 新一君は笑って応えました。
「じゃあそういうことで今から」
「ええ、下に行きましょう」
 地下一階、奥華の詰所で食堂があるところにです。
「そうしましょう」
「それで一緒に食べましょう」
「そうしましょう、他の人達も一緒だしね」
「団欒の時ですね」
「詰所の皆でね」
 ずっと一緒に暮らしていると絆も深まって家族みたいになります、おみちの教えにも一列兄弟とあるのでそのことにも合っています。
「そうしましょう」
「はい、それじゃあ」
 新一君はにこにことしてでした。
 そのうえで私と一緒に地下の食堂に入りました、そうしてです。
 向かい合って座ってそれぞれ自分で入れたカレーを食べます、手を二度叩いてです。 
 食べますがここで、でした、
 新一君が気付いた様にこんなことを言いました。
「おぢばのカレーって甘口ですね」
「お子さんも食べるからね」
 かく言う私も子供の頃からいただいています。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧