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星河の覇皇

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第八十六部第一章 貴族達の嘲笑その二

「これ以上はないまでに勢いで」
「左様ですね」
「今の我々は」
「まさに挙国一致で」
「そうなっていますね」
「まとまるべき時にまとまる」
 カミュは笑って話した。
「まさにそれこそがです」
「我がエウロパです」
「誇りある我々です」
「連合とは違います」
「ならばですね」
「我々としては」
「そうです、彼等の争いを嘲笑しつつ見て」
 そしてというのだ。
「何時かはです」
「彼等を超えますね」
「連合の愚か者達を」
「そうしますね」
「やがては」
「長い歳月がかかりますが」
 カミュもこのことはわかっている、連合の圧倒的な人口と総生産そして技術のことは彼もわかっている。
 だがそれでもとだ、彼は言うのだ。
「しかしです」
「急激に発展し」
「そしてですね」
「やがて超えて」
「そのうえで」
「再び我々が彼等の主となるのです」
 そうなるというのだ。
「かつての様に」
「大航海時代から帝国時代ですね」
「そして二度の世界大戦までですね」
「あの頃の様に」
「人類は正しい姿に戻りますね」
「我々西から出た誇りある者達が」
 即ち欧州の者達がというのだ。
「人類を正しく導く」
「そうあるべきです」
「その頃こそ人類は欲まとまっていました」
「連合の愚か者達は国なぞ持たず我等に仕えていた」
「そして奉仕していました」
「それが正しい姿です、ですから」
 大航海時代から産業革命そして帝国主義から第二次世界大戦に至るまでの時代の様に欧州が人類社会の盟主であるべきだというのだ。
 カミュはその考えからだ、客達にさらに話した。
「今は発展に専念すべきです」
「連合以上の力を持つ」
「それを目指しますね」
「技術でも総生産でも」
「やがては」
「人口でも。ただ」
 人口についてはだ、カミュは難しい顔で述べた。
「このことについては」
「難しいですね」
「連合以上の人口を持つことは」
「我々にとっては」
「百年や二百年では出来ないですね」
「我々の人口は一千億、連合は四兆です」
 その四十倍の差を言うのだ。
「技術は置いておいてです」
「総生産も人口が関係します」
「だからですね」
「人口については」
「技術は努力次第で埋められます」
 こちらのことはというのだ。 
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