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神々の塔

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第五十六話 天空に向けてその十二

「これから」
「戦の前にですか」
「そうさ、戦いの舞をな」 
 まさにそれをというのだ。
「そしてな」
「そのうえで、ですね」
「はじめようか」
「あの、ちょっとそれは」
 シェリルはマオイの言葉にいささか引いた顔になった、そのうえで神霊に対して答えた。言葉も引いている。
「私等がやるとなると」
「どうするんだい?」
「ラグビーのあれみたいで」
「ああ、マオリ族とかのな」
「私等の感覚では」
「スポーツの前の士気をか」
「高めるダンスで」
 そうしたものでというのだ。
「ちょっと」
「戦の前の舞にはか」
「思えへんので」
「あんた達はやってないんだな」
「はい」
 そうだというのだ。
「そうしてます」
「ああ、それはいいさ」
 マオイはシェリルに笑って返した。
「あんた達がしなくても」
「別にですか」
「おいら達が自分達でするものだからな」
「私達はですか」
「しなくていいさ」
 別に、という口調で言うのだった。
「気にしないでくれよ」
「ほな」
「それじゃあな」
「はい、マオイさん達がですね」
「それぞれ踊ってな」
 戦の前の舞をというのだ。
「それからな」
「戦いますね」
「そうしような」
「わかりました」
 シェリルは頷いて応えた、そうしてだった。
 実際に戦の舞が行われそれからだった、一行は南洋の神々との戦に入った。彼等は一行が話した通りにでだった。
「水属性でやね」
「水の攻撃をよお使うな」
 シェリルは綾乃に応えた。
「データ通りにな」
「そやね」
「それやとな」
「水の弱点を衝く」
「どんな属性にも弱点はある」
「そやからやね」
「そこを衝いてな」
 そうしていってというのだ。
「こっちもや」
「戦っていったらええね」
「必ずや」
 シェリルはこうも言った。
「力を合わせてな」
「うち等十人が」
「そして相手の弱点を衝けば」
「これまで勝っていったし」
「今もや」
 南洋の神霊達にもというのだ。 
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