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仮面ライダーディケイド 本当の自分自身

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第十五章

 そしてだ。それを出されたアビスはだ。ふらふらとしながらも立ちだ。そのうえで光とキバーラに対して言葉を返したのであった。
「おのれ・・・・・・」
「あら、いきなり無粋な言葉ね」
「私を倒すとはな」
「正直あんたは楽な相手だったわ」
「何だと!?」
「夏海ちゃんなら楽勝よ」
 少し聞かなくても明らかに挑発する言葉だった。それを今死のうとする彼に対して言ってみせるのにもそれなりの理由が存在していた。
「何度蘇ってきてもやっつけられるわよ」
「そう言うのか」
「ええ、言うわよ。あんたには負けないわよ」
 まさにライダーの側の存在としての言葉であった。
「何度でもね。夏海ちゃんは勝てるわよ」
「くっ、ならばだ」
「死んでもまた出て来るつもりね」
「時が来ればな」
 その通りだというのだ。
「また会おう、キバーラよ」
「私もライダーです」
 光の今の言葉は毅然としたものであった。その言葉をさらに出した。
「例え何度でも。貴方と闘いそして倒します」
「貴様も言うのか」
「そうです、言います」
「くっ、それではだ」
 立ちながらもふらつき。そのうえでの言葉だった。
「また会おう。その時こそだ」
「はい、終わりね」
 キバーラの今の言葉と共に爆発して果てた。これでアビスも倒れた。
 そしてキバ達とラッキーグローバーの戦いもだ。佳境に入っていた。
「渡、そろそろだ」
「うん、兄さん」
 紅が登の言葉に応えていた。二人のキバはそれぞれ背中合わせになりドラゴンオルフェノク、そしてロブスターオルフェノクと闘っている。
「決めるぞ」
「そうだね。それじゃあ」
「この男は俺が倒す」
 名護はクロコダイルオルフェノクと対峙していた。その手には双方共剣がある。
 クロコダイルオルフェノクの剣を受ける。だがその衝撃は。
「くっ、何という重さだ・・・・・・」
「名護さん、その相手は」
「いや、大丈夫だ」
 丁度左後ろにいる紅にこう返す。彼の背中合わせの向かい側にはマサオがいる。彼等はそれぞれ四方になってラッキーグローバーと戦っているのである。
「ビショップと比べればまだ、だ」
「そうですか。それじゃあ」
「僕はこいつだね」
 マサオが対峙しているのはセンチピードオルフェノクだ。既にその刺々しい鞭をその手に持ち彼に攻撃を浴びせ続けている。
「このムカデが」
「ムカデだと!?」
「だってそうじゃない」
 軽い口調でそのセンチピードオルフェノクに返す。
「どう見てもね」
「俺はオルフェノクだ」
 だが本人はこのことを強調するのだった。
「それ以外の何者でもない」
「それはわかったよ。ただ」
「今度は何だ?」
「それでも人間だね」
 マサオはこうも言ってみせたのである。
「君達はね」
「馬鹿な、我々はオルフェノクだ」
「そうだ、それはだ」
「それを否定するというのか」
「否定も何もね」
 マサオは一斉に反論してきたラッキーグローバーの面々に対してまた言うのだった。彼等は感情を見せているが彼は冷静なままである。
「その通りじゃない」
「その通りだと!?」
「まだ言うつもりなんだね」
「じゃあ本当に」
「許してはおけないわ」
「仕方ないな。じゃあそれを見せてあげるよ」
 マサオは言いながら構えに入った。攻撃の構えである。
 右足を高々と掲げてそのうえで跳ぶ。逆さになる。
「よし、それなら」
「渡、行くぜ!」
 キバット三世が紅が変わっているキバエンペラーフォームに対して告げる。
 
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