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仮面ライダーディケイド 本当の自分自身

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第四章

「スサノオはその全ての力を使ってそうすればいい」
「そしてそれは常にできるね」
「だがそれは決してしない」
 こう海東に応えて述べるのだった。
「スサノオはだ」
「何考えてるんだ?だったら」
「スサノオは」
「やがてわかる。しかし今はだ」
 ここまで話して踵を返す。そうして向かうのは。
「いいな」
「はい、それじゃあ」
「今は」
 こうして今は写真館を出た。それに三人も続く。そして写真館を出たところでだ。キバーラが彼等の周りに飛んできたのであった。
「久し振り。元気してた?」
「あっ、キバーラさん」
「夏海ちゃんも私が必要よね」
 光の傍を飛び回りながらの言葉だった。
「だから来たのよ」
「そうなのですか」
「来るわよ、凄いのが」
 キバーラの声は笑っていた。
「用心しておいてね」
「そんなに凄いんですか」
「もう凄いの何のって」
 キバーラは声を笑わせながらさらに言うのであった。
「あの戦闘員の他にもわんさかとね」
「そして御前もいる」
 門矢はそのキバーラを見ながら話すのだった。
「御前は今度は何のつもりだ?どうしてここに来た」
「あら、剣呑な言葉ね」
 すっとぼけた様に門矢に返してみせた。
「まるで私が敵みたいじゃない」
「あの時何故ユウスケをあの姿にした」
 彼が言うのはこのことだった。
「そして鳴滝ともいつも会っていたな」
「あら、気付いてたの」
「気付かない筈がない。そして夏海をライダーに変えた」
 このことも言うのであった。
「何故だ?貴様は俺達にとって味方なのかそれとも敵なのか」
「少なくとも人間の敵じゃないわよ」
 それは否定するのだった。
「それは言っておくわ」
「じゃあライダーの敵じゃない」
「そうなりますよね」
 小野寺と光はここでこう認識した。
「けれど俺をあの姿にしたし」
「私をライダーに」
「そうする必要があったからよ」
 だからだというのである。キバーラ自身はだ。
「あんた自分が大ショッカーの首領だったこともあるのは覚えてるわよね」
「あの時だな」
「そうよ。妹さんもね」
「あいつもまた何故だ」
 門矢は呟く様にして述べた。
「俺とあいつは何故あの時」
「ディケイドは特別なライダーなのよ」
「世界を破壊するか」
「そして世界を元に戻すこともできる」
 それも可能なのだという。
「それがディケイドなのよ」
「俺なのか」
「そういうこと。あんたには世界を元に戻すライダーになって欲しかったのよ」
「そう思っているのは御前か」
 キバーラを見据えての言葉だ。今度は自分の周りを飛ぶ彼女に対してだ。
「貴様だけか。違うな」
「勿論違うわよ」
 キバーラもそのことは隠さなかった。
「私の他にもそう考えてる人達はいるのよ」
「人達」
「というと」
「私もまたそうなのよ」
 一行の前に黒いマントを思わせる服を着た緑なす長い黒髪の美女が出て来た。彼女は彼等の前に出てこう言ってみせたのである。
 
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