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星河の覇皇

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第八十五部第五章 北京宣言その四十

「そしてしてもです」
「取り返すだな」
「動いて」
 そうしてというのだ。
「ですから」
「そうだな、ではな」
「動いていきましょう」
「そうしよう、しかし」
「しかしとは」
「彼は晩婚の相なのか」
 キロモトは考える顔でこんなことも言った。
「そうなのか」
「晩婚ですか」
「そう思ったが」
「そうですね、早い人は十代で結婚します」
「そうするな」
「ですが遅い人は」
「彼の年齢になってもだ」
「五十で初婚の人もいますし」
 その場合もあるのはこの時代でも同じだ。
「ですから」
「そこはか」
「人それぞれで」
「彼もか」
「遅い結婚になろうとも」
 それでもというのだ。
「これからです」
「それをしてもらおうか」
「そうかと。ただ」
「結婚してもしなくてもな」
「はい、彼はやがてはです」
「家を継がねばならない」
「彼自身もよくわかっています」
 このことはというのだ。
「ですからおそらく今の職務、中央政府国防長官の職から離れると」
「それで政界を退き」
「そしてですね」
「八条グループに入ってな」
「あのグループの総帥としてですね」
「働くことになる」
 キロモトも述べた。
「その時からはな」
「左様ですね」
「今は政治家だが」
 それでもというのだ。
「しかしだ」
「その時からは」
「経営者となる」
「それも巨大な企業グループの総帥ですね」
「連合屈指のな、その資産たるやな」
 まさにというのだ。
「エウロパ一国に匹敵するともだ」
「言われていますね」
「連合でも小国位はな」
 それ位の力はあるというのだ、ただ連合では広大な為かそれだけで世界を動かせる企業グループは存在しないと言われている。
「それだけの力はある」
「そうでしょうね」
「その企業グループの総帥となるとな」
「一国の主に等しいですね」
「その動かすものはな」
「そう考えると相当ですね」
「ロスチャイルド家やロックフェラー家に匹敵する」
 連合でも大きな力を持つこうした家々にもというのだ。
「八条家はな」
「まさに帝王ですね」
「そうだ、彼は一国の主にも等しくなるからな」
「そう思うとかなりですね」
「そうだな、それだけにな」
「やはり結婚はしないといけないですね」
「そういうことだ、そしてだ」
 キロモトはさらに話した。 
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