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ドリトル先生とラーメン

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第十二幕その十一


「本当にね」
「僕達じゃなくても」
「皆も言うしね」
 先生は動物の皆を見て二人に応えました。
「そうね、けれど決まったから」
「そうそう、土曜日に行くことはね」
「決まったよ」
「それじゃあ先生いいね」
「二人で行って来てね」
 皆はそれならと告げました。
「いいね」
「それじゃあね」
「是非頑張ってね」
「ラーメン一座行って来てね」
「そしてひょっとしたら」
 微かな希望を持っての言葉も出ました。
「何処か別の場所に寄りたかったら」
「それならね」
「是非寄ってね」
「日笠さんが言ってもそうしてね」
「何もないよ」
 先生の考えは変わりません。
「本当にね」
「まあね」
「そう言っても日笠さんがいるなら」
「何か気付いたら乗ってね」
「あの人が言って来てもね」
「ははは、ラーメンを食べに行くだけだから」
 今度は笑って言いました。
「お友達とね」
「だから何もない」
「食べに行って帰る」
「それだけだから」
「三時には帰って来て」
 そうしてというのです。
「今度はお茶かな」
「ティータイムだね」
「それを楽しむのね」
「そうするよ」
 三時までに帰ってというのです。
「是非ね」
「やれやれだね」
「そんな時はティータイムなんてどうでもいいでしょ」
「どうせなら日笠さんと一緒にでしょ」
「もうね」
「いや、やっぱりティータイムはね」
 先生は真面目に答えました。
「皆と一緒に、だよね」
「僕達のことはどうでもいいのに」
「この際」
「律儀なんだから先生は」
「こうしたところも先生の長所だけれど」
「こうした時はいいのに」
「律儀でなくても」
「いやいや、そうはいかないから」
 決してと言うのでした。
「本当にね」
「やれやれだよ」
「まあ先生にとってはティータイムは絶対だけれど」
「三食と学問と一緒に欠かせないものだけれど」
「僕達と一緒にティータイムは」
「だから帰って来るよ」
 三時までにはというのです。
「期待していてね」
「期待したくないよ」
「土曜日ばかりは」
「本当に僕達のことはいいから」
「ティータイムは日笠さんとどう?」
「お二人でね」
 皆で強く言います。
「本当にね」
「そうしたら?」
「難波にもティーセットいいお店あるよね」
「それじゃあそこでね」
「気持ちだけ受け取っておくよ」
 皆に好意があるのはわかるのでこう返しました。
「そのうえでね」
「やれやれだよ」
「まあ今は二人で行くならいい?」
「そこで妥協する?」
「そうする」
 それならとでした。
 皆も無理矢理納得して妥協しました、そうしてあらためて先生に対して口々に強く言ったのでした。
「じゃあ頑張ってね」
「日笠さんと二人でね」
「ラーメン一座行って来てね」
「そうさせてもらうよ」
 わからないままでした。
 先生は頷いて日笠さんとラーメン一座に行きました、ただ三時にお家で紅茶を飲む先生には皆はまだまだこれからと思うのでした。


ドリトル先生とラーメン   完


                  2023・9・11 
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