パパ活は危ない

　　　　　　　　　　　　　　　　パパ活は危ない
　根谷桜子はパパ活と聞いてだ、その瞬間に小さな目と卵型の顔に細長い眉と薄い唇の顔を顰めさせた。色白で黒髪をショートにしていて背は一五六位ですらりとしている。ダークブラウンと金のブレザーとグレーのミニスカートにブレザーと同じ色のネクタイと白いブラウスは八条学園高等部の制服の一つだ。この学園の農学科在籍である。
「それ駄目でしょ」
「そうよね」
「あんた誘われたの」
「地元に帰ったらね」
　寮生の友人はこう答えた。
「中学時代の娘にね」
「あんた神奈川よね」
「そうだけれどね」
「誘われたのね」
「断ったわよ」
「当たり前よ」
　桜子はその友人に全力で言った。
「あのね、本当に危ないから」
「パパ活は」
「その相手どんな人かね」
　それこそという口調で言うのだった。
「わからないし」
「売春よね」
「それになるでしょ」
「援助交際と一緒よね」
「どう違うのよ、あのあんたを誘った娘って」
「実は中学で有名な不良で」
　友人はその娘のことも話した。
「色々素行悪かったの」
「そんな娘だったの」
「何度も補導されて悪い人とも付き合って」
「碌でもない娘？」
「私とはそんなに仲悪くなかったけれど」
　それでもというのだ。
「喧嘩とか万引きとか夜遊びとかね」
「色々やってたの」
「それで今神奈川でも有名な最底辺の学校に通ってるけれど」
「その娘絶対にいいことにならないから」
「付き合わないことね」
「ええ、また何で誘われたのよ」
「この前の夏休み実家帰ったら」
　その時にというのだ。
「コンビニで会ってね」
「そうだったの、本当にそうしたお誘いはね」
「断ることね」
「そうしないと駄目よ」
　真面目な性格の桜子はこう言った、そして友人もしなかったが冬休みの後だった。桜子はその話を聞いたのだった。
「その娘入院したの」
「ええ、パパ活の相手が病気持ってて」
「ああ、そうしたことして」
「梅毒になってね」
「うわ、それやばいわよ」
　梅毒と聞いてだ、桜子は一瞬で眉を顰めさせた。