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編集者の仕事

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第二章

「そういうのじゃないですか」
「僕の全力を受けてくれますね」
「そうしていきますので」
「じゃあぶつけます」
 高山もそれではと応えた。
「是非」
「そうしていきましょう」
 こうした話をしてだった。
 山本は高山の編集者として働いていった、その中で。
 漫画界も含めてだ、同業者達の話を聞いて高山に仕事の打ち合わせのファミレスで仕事の話の後で言った。
「編集者といっても色々で」
「いい人もいればですね」
「どうなんだって人もです」
「やっぱりいますね」
「それでそうした人がいますと」
 ファミレスの席に向かい合って座っている高山に話した。
「作家さんもです」
「困りますね」
「自分の才能が活かせないので」
「作品もよくなりませんね」
「はい、もう初対面でですよ」
 高山に真顔で話した。
「睨んだりとか」
「いきなりですか」
「そうした人もいます」
「初対面の人に」
「その人は漫画家さんの編集者でしたが」
 そちらの担当だったがというのだ。
「もうそこからです」
「自分の言うことばかりですか」
「そうです、そして自分の手柄で」
「上手くいけば」
「失敗は相手のせいで」
「漫画家さんもたまったものじゃないですね」
「それでその雑誌から出て」
 そうしてというのだ。
「今は他のところで描かれています」
「それは最悪の事態ですね」
「この編集者は他にも問題を起こしていますし」
「尚更酷いですね」
「こうした人は」  
 山本は高山に眉を顰めさせて話した。
「駄目ですね」
「編集者として」
「やっぱりです」
「作者さんと一緒にですね」
「編集者はキャッチャーで」
「作者はピッチャーで」
「やっていくべきです」
 こう言うのだった。
「やはり」
「そうお考えですね」
「いつも。ですから」
 それでというのだった。
「これからも宜しくお願いします」
「こちらこそ。バッテリーみたいにやっていきましょう」
「そう言ってもらって何よりです」
 山本はにこりと笑って応えた、そうしてそれからも二人三脚でやっていった。まさにヤキュウノバッテリーの様に。


編集者の仕事   完


                 2024・1・22 
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