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X ーthe another storyー

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第五十二話 祝宴その十一

「すき焼きはあまりな」
「なかったか」
「そうだった、なら今度だ」
「皆で食うか」
「退院したらな」 
 今入院している者達がというのだ。
「そうするか」
「そうか、そちらもだな」
「そうする」
「それならな」
「じゃあ今は四人で食べましょう」
 小鳥が三人に言った。
「これからね」
「ああ、そうしよう」 
 神威も応えた、そしてだった。
 四人ですき焼きを食べ酒を飲んだ、鏡護はその二つを楽しんでから神威達を見回してこんなことを言った。
「運命が変わらないとな」
「おじさんは今こうしてここにいないな」
「そうだった」
 神威にその通りだと答えた。
「死んでいた」
「そうだったな」
「だが運命は変わってだ」
 そうしてというのいうのだ。
「今こうしてな」
「楽しめているな」
「有難いことにな」
「俺も死んでいたな」
「私も」
 神威だけでなく小鳥も言った。
「そうだったわね」
「それも封真に殺されてな」
「そうだったわね」
「それが変わった」
「それで皆ここにいるわ」
「俺も死ななくてな」
「若しかするとだ」
 封真も言ってきた。
「俺が死んでいたかもな」
「ここにいる者はそうなる運命だった」
 鏡護は言った。
「封真か神威以外はな」
「俺達は、か」
「どちらかとなっていたんだな」
 神威と封真はお互いを見て話した。
「そうだったか」
「最後に戦い」
「そうなっていたんだな」
「私が死んで」
 小鳥はそれでと話した。
「神威ちゃんかお兄ちゃんが」
「それが変わってだ」
 そしてとだ、鏡護は肉を食べつつ話した。
「こうしてすき焼きもな」
「食べられるわね」
「そうだ、肉も美味いしな」
 そしてというのだ。
「当然葱も豆腐もな」
「美味しいわね」
「他のものもな」 
 鍋の中にある、というのだ。
「美味い」
「そうよね。お酒もね」
 小鳥は今それを飲みつつ話した。
「美味しいわね」
「そうだ、それで食後はか」
「ケーキよ」
 これが待っているというのだ。
「退院祝いでね、ケーキ屋さんに注文して」
「作ってもらったんだな」
「お父さんの退院に合わせてね」
「そこまでしてくれたか」
「当然よ」
 そうしたことはというのだ。 
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