| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

わんねー あいつに責任とってもらう だけど好きになっただけヤ

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

11-6

 その週の土曜日は早速私達が12時から使えることになった。オープンスペースでバックアップとか、フォワードの3人と美鈴と鈴花がディフェンスになってのラインパスとか、栞奈のドロップキックによるアタックを、今まで狭くて思う様に出来なかった練習をしていった。

 気付くと、あのサッカーの3人組が横で見ていて

「なんやのー あんた等 見てるぐらいやったら、相手してぇーやー」

「あかんネン 監督から 見るだけやどー 一緒にやるな! って言われてるんやー」

「なんなん? なんでー」

「うーん 怪我したらあかんからちゃうかなー お前等 最近 本気でぶつかってくるからなぁー それと あんまり深入りするなって」

「なんやのー サッカー部ラクビー担当やのになぁー」

「へっ なんだぁー? そのラグビー担当って?」

「まぁ ええヤン 応援団ってことやー でも 監督に言われてるんやったら しゃぁーないな」

 確かに、最近は美玖も美鈴も本気で強烈なタックルをしてくるのだ。

 練習が終わった後、桜がご飯を食べた後に又、集まってパスの練習しようと声を掛けていた。近くの美玖、栞奈に璃々の4人だ。中央公園でと言っていたので、私も行こうかなーって言って、泉希も誘ったら

「ウチ 利勝のとこに行ってみる この2.3日 学校来てないやろー?」

 そーいえば、休んでる。その前も時々居なかったかなー。影が薄くって、私も同じクラスなんだけど気にもしていなかったのだ。

「そーゆうたら そやなぁー ウチ あんまり 話さへんから・・」

「みゅんが 来るまでは ウチ 仲良かったんやでー でも、中学になってクラスもちゃうからー」

「なんや それっ みゅうみゅんのせいかぁー?」

「うふっ ちょっと 意地悪言ってみたんよっ その前から あいつはヘタレやって思うことがあってネ それから・・・ でも、気になるから 様子見に行こーって思ったんよ」

「そうかぁー みゅうみゅんも一緒に行ってもええか?」

「そやなー 同じ通学班やってんものなー」

 そして、ご飯を食べた後、通学班の集合場所だったとこで待ち合わせて、利勝君んちに・・・。和菓子 「みず屋」 昔からあるような和菓子屋さん。

「あぁー 泉希ちゃん 久しぶりだねー どうした? 利勝にか?」と、利勝君のお父さんだろう。

「ご無沙汰です ちょっと 利勝君に用事があってー」

「そうか あいつ ひきこもりで、学校も休みがちでなー 部屋に居るよー 上がって声掛けてくれ 最近 飯も食わんで・・・ウチのお菓子ばっかーでな」

 と、泉希ちゃんは、勝手知ってるんだろう 階段を上って、利勝君の部屋の前で

「利勝 入るよー」と、でも中からは返事も無かったので「入るからネ」と、ドァを開けると、カーテンも閉め切ったままで薄暗い部屋で利勝君はパソコンに向かったままで、こっちを見もしなかった。

「何してんのん! 学校にも行かんでー」と、泉希ちゃんが大きい声で言っても、知らんぷりだったので、泉希ちゃんは、利勝君のヘッドホーンを外して、耳元で「何してんのん」と、叫んでいた。

「なんやねん 今 ええとこやのにー」と、ようやく反応した。

「なにが ええとこやー ゲームやんかぁー 心配して来てんのにー」

「別に 心配してくれへんでも ええでー ほっとってくれたらええねん」

「あほかぁー ほっとかれへんヤン 学校にも来てへんやないかー あのなーウチ等 小学校からの幼馴染やろー 一緒に遊んでたやないかぁー なんで そんなんになってしもぉーたんやー」

「泉希は あぁー みゅうみゅんと 頑張ってるやないかー それで ええやん」 確かに、前に比べると、青白くてポッチャリしてきていると感じた。

「利勝! 小学校の時は 頑張って走ってたヤン あん時 恰好ええヤンって思ったんよ 意外と」と、私も、何を言ったら良いのか・・・でも、元気づけようと

「あぁー あんなん 前の話やー 今は、ゲームしてる方が、誰にも気も使わんしー ゲームの中では相手してくれるヤツがいっぱい居るしなー」

「あんなー そんなん 逃げてるんやー 自分からも・・・ もっと 生きてる人と仲間つくらなアカンってー ゲームの中では、助け合われへんでー ゲームだけの話やー 仲間は困った時には実際に助け合えるし、ゲームの中とは違う歓びがある! それが、生きてるってことやでー なぁ 学校にはそれがあるんやでー だから、それを見つける場やー」と、私は、利勝君の手を取って訴えていた。

「みゅうみゅんの言うことはわかるでー 僕も 中学には希望を持って入ったんやー だけど、友達もできひんでなー ゲームの話も共通できる奴もおらへんかったしな 僕は、あんまり運動好きちゃうからな この辺りも、同級生おらへんかったから 余計に 仲のええ奴出来なかったんやー」

「そんなん みんな 違う小学校から集まってるんやから 当たり前ヤン 違うとこから来てるんやから、新しい友達ができるんやないのー? バッカみたい そんな奴やったんかぁー 勝手に好きなようにしたらええねんけどー」と、泉希ちゃん突き放しかかっていたけど

「なぁ 友達なんて 待ってても できひん! 自分から飛び込んでいかんとー まだ 1年は終わってへんヤン そんなことで学校生活 棒にふるんかぁー? ウチ等 まだ 未来が広がってるんやでー なぁ なぁ ウチもクラスに仲のええ男の子おらへんけどー 女の子は仲間が居るで 璃々やろー 朝陽に栞奈 そやから 一緒にやろー?」

「・・・僕なぁー 泉希に相手にされんよーなって・・それでも、昔から上原璃々が好きやったんやー で 同じクラスになったし 近づこうとしたんやけどー まるで、相手にもしてもらえず 無視されてんだ それから ガックリしてしまってー」

「えっ えぇー 璃々に・・・ ふ~ん あの子 最初はプライド高いからなぁー でもな 意外と人見知りが強いんやー だから 利勝から飛び込んでいったら そうでもないんやでー なぁ 泉希?」

「う うっ~ん そうねー 利勝 璃々のこと・・・を ウチなんかに興味なかったんやー」

「そんなことないでー 近所で小さい頃から知ってたし・・・泉希は 頭も良くって美人で・・・ 僕には・・・」

「なんやねん 結局 男にも女にも相手されへんから ゲームなんかい? そんなしょーもないことでー アホッ このヘタレっ! わかった! 利勝を鍛え直したる 明日 朝 登校班の集合場所に8時な 河川敷公園でジョギングやー 利勝ブヨブヨしてきとるでー ウチ等に負けたら かっちゃんでお好み焼き おごるんやでー なぁー みゅん?」

「なんやー それっ 泉希等なんかに負けるわけないやろー そのかわり、僕が勝ったら わかってるやろなー 二人ともお仕置きやでぇー」と、利勝君も元気が出てきたみたいだった。

「アホッ 言い方 やーぁらしいネン 何考えてんねん」と、泉希は利勝君の頭をコツンとして出てきたのだ。   
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧