Ｘ　ーｔｈｅ　ａｎｏｔｈｅｒ　ｓｔｏｒｙー

「封じましょう」
「ではな」
「これより。地の龍もまた」
「わかっているわ」
　庚が丁の頭の中に言ってきた。
「私達は今夢の中にいるけれど」
「そこからですね」
「姉さん達と共にね」
「力を使ってくれますね」
「ええ」
　そうするというのだ。
「これから」
「それでは」
「共にそうしましょう」
「それでは」
　こう話してだった。
　庚も約束した、そしてだった。
　今姉妹そして全ての龍達が傷をものともせず力を放った、するとだった。
　動きを止めていたもう一人の丁は透明なピラミッド型の結界の中に閉じ込められ消え去った。丁はそれを見届けてから言った。
「わらわの心の中に入れました」
「そうしたか」
「封印が為されたならば」　
　そうであるならというのだ。
「もうです」
「これで、ですね」
「わらわが死ぬまでです」
　まさにその時までというのだ。
「安心出来ます」
「そして貴女が世を去れば」
「共にです」
「それではもうですね」
「全ての危機は去り」
　そうなってというのだ。
「また戦いもです」
「終わりましたね」
「そうなりました」
「そうか、それではだ」
　神威は丁のその話を受けて微笑んで話した。
「戻るか」
「俺達の場所にか」
「おじさんもそろそろ退院するな」
「そうなる」
「では退院の時はだ」
　まさにその時はというのだ。
「一緒にだ」
「迎えに行くか」
「そうしよう」
　こう言うのだった。
「どうだ」
「賛成だ」
　これが封真の返答だった。
「それならな」
「ああ、皆でな」
「父さんを迎えに行ってな」
「そして一緒に帰ろう」
「俺達全員でな」
「だがまずはだ」
　神威は封真に微笑んでさらに言った。
「戦いは終わったからな」
「だからだな」
「仲間達のところに戻ってな」
　天の龍のというのだ。
「そうしてだ」
「このことを告げてか」
「もう姫様を通じて知っているがな」
「もう一人の姫様も一緒に封じたしな」
「だがな」
　それでもというのだ。