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八条学園騒動記

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第七百三十二話 ナマケモノその八

「するな」
「はい、非常に」
「遊びもまたよしとだ」
 その様にというのだ。
「連合では考えられている」
「遊びもまた経験ですか」
「そうだ、遊びは産業にもなるしな」 
 即ちそこから利益が生じるというのだ。
「おもちゃを買うにしてもな」
「そのおもちゃを造る人や売る人がいて」
「産業になる、また酒を飲んでもな」
「売る人がいますね」
「だからだ」
 そうしたものだからだというのだ。
「連合では遊ぶこともな」
「よしなのですね」
「それもだ、そして休む時はな」 
 その時はというと。
「寝る」
「そうしますか」
「まさに寝る時以外はな」
「動く国ですね」
「そして疲れを取る」
 睡眠でというのだ。
「そうした国なのだ」
「怠けることはですね」
「ない国だ、怠けるならだ」
 それならというのだ。
「遊ぶ」
「そうしますね」
「怠けてもだ」
 そうしてもというのだ。
「何もならないというのがな」
「連合の考えですね」
「だからだ」
「怠けるならですね」
「遊ぶのだ」
「そうする国ですね」
「君もわかるな」
 上等兵に顔を向けて尋ねた。
「このことが」
「連合にいますので」
 今はとだ、上等兵はこう答えた。
「ですから」
「そうだな、それが連合だ」
「休む時は寝る時で」
「そしてだ」
「寝る時以外は動いていますね」
「回遊魚の様にな」
 大尉はこう例えた。
「そうしているのだ」
「まさに常に動いていますね」
「そうだ、そうしてだ」
「発展していっていますね」
「停滞は罪だ」 
「連合では」
「それも最大のな」
 実際にそう教えられている、停滞よりも重い罪があるとすれば退化であるとも子供に教えてさえいる。
「そうなっている」
「連合は常に発展する国なので」
「休まずにな」
「だからそうしていますか」
「そうだ、停滞は罪でだ」
「あってはならないことですね」
「発展はだ」 
 これはというのだ。
「当然のことでだ」
「美徳ですね」
「そう考えられているな」
「そうしないと生きていけない様な」
「そこまでの考えがだ」
 連合にはというのだ。 
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