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X ーthe another storyー

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第五十話 死守その十二

「いいわね」
「そやろ、日本にはそうした話も多いやろ」
「怨霊を封じたり」
「九尾の狐もな」
「そうしたお話が多いわね」
「そやからな」
「いいですね、ならです」
 護刃もそれならと賛成して表情をやや明るくさせた。
「ここはです」
「ああ、もう一人のおひいさんを倒すんやなくてな」
「封印しますね」
「そうしたらおひいさんもや」
「死なずに済みますね」
「そやろ」 
 空汰もやや明るい顔になって応えた。
「天の龍も地の龍も殆ど死ぬことなくここまできたんや」
「空汰さんもですね」
「それやとおひいさんもな」 
 丁もというのだ。
「無事でいられるわ」
「そうですね」
「犠牲は出てもですね」 
 征一狼も明るさを取り戻していた、表情が明るい。
「最低限でいいですね」
「征一狼さんもご家族と一緒ですね」
「本気で離婚してです」
「何かあってもええ様に」
「そう考えていましたがせずに済みまして」
 そしてと空汰に微笑んで話した。
「毎日です」
「お見舞いに来てくれるんですね」
「別れなくてよかったです、遊人さんには感謝しています」
 離婚を止めた彼にはというのだ。
「まことに」
「それで、ですね」
「姫様も」
 丁、彼女もというのだ。
「もう一人のご自身を封印しまして」
「無事ならですね」
「いいかと」
「そうね、もう一人の姫様を倒せば姫様が死ぬのなら」
 火煉もそれならと話に入った。
「姫様が天寿を全うすれば」
「その時にもう一人のおひいさんも死にますわ」
「そうなるわね」
「そうですさかい」
「ここはなのね」
「もう一人のおひいさんを倒すんやなく」
 そうでなくというのだ。
「封印しましょう」
「そうね、東京に封印すれば」
「東京は結界の塊ですし」
「出来るわね」
「そうですわ」
「そうだな」 
 神威もここまで聞いて言った。
「それはいい考えだ」
「自分もそう思うやろ」
「ああ」
 そうだと空汰に答えた。
「実にな」
「ほなな」
「そうする」
 神威は意を決した顔で答えた。
「是非な」
「ほな頼むで」
「ああ、絶対にな」
「無理です」
 だがここで丁が言って来た。 
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