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ガラクタと言われても

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第二章

「これがね」
「まあそうでしょうね」
「けれどね」  
 それでもとだ、美奈子はにこりと笑って話した。
「私にとっては水晶玉よりもね」
「価値があるのね」
「そうなの、だからこれからもね」
「ビー玉集めていくのね」
「そうするわ」
 こう言うのだった。
「これからもね」
「そうなのね、ただね」
「ただ?」
「あんた塾で人気あるでしょ」
 菫は美奈子にややジト目になって尋ねた。
「男子生徒に」
「それはね」
 美奈子も否定しなかった。
「美人って言ってくれて」
「スタイルいいし特にね」
「特に?」
「ミニスカがね」
 いつも身に着けているそれがというのだ。
「男の子を刺激してよ」
「人気あるのね」
「若しもだけれど」
 美奈子に話を続けた。
「生徒の子がビー玉プレゼントしてね」
「付き合ってくれって言ってきたら」
「どうするの?」
「いや、それでもね」 
 どうするかとだ、美奈子はすぐに答えた。
「流石に生徒の子とはね」
「付き合えないわね」
「そうよ、ただ今フリーだから」 
 相手がいないのでというのだ。
「生徒さんじゃなかったらね」
「いいのね」
「それならね、その時はビー玉をプレゼントしなくても」
 それでもというのだ。
「真心があったらね」
「いいのね」
「ええ、それならね」
 笑顔で言うのだった、そしてだった。
 二人で世間話をした、そうして酒も飲んだ。その時も美奈子はビー玉を見てまた新しいものを買おうと思ったのだった。


ガラクタと言われても   完


                   2023・12・25 
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