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選挙に行って駄目な人を

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第二章

「もうね」
「投票したら駄目だな」
「絶対にね」 
 何があってもというのだ。
「私だって自衛隊は必要って思うし」
「過激派は駄目だな」
「駄目に決まってるわよ」
 それこそというのだ。
「あの人達ってテロやるでしょ」
「普通にな」
「暴れるし」
「暴力も振るうぞ」
「如何にも胡散臭いから」
「過激派と関係あるならだな」
「そのことでも絶対によ」
 それこそというのだ。
「当選して知事さんになったら」
「大変だな」
「言ってること殆ど自衛隊の基地反対ばかりだし」
「他の政策ないな」
「絶対に知事さんにしたら駄目よ」
「そう思うならな」
 父はムス炎に穏やかな声で話した。
「その人じゃなくて他の人にな」
「投票することね」
「変な人を当選させないことも政治なんだ」
 そうなるというのだ。
「一番いい人に当選してもらう為の場合もあればな」
「絶対に駄目な人を落選させる為にもなの」
「選挙に行くものだ」
「そうなのね」
「だからな」 
 それでというのだ。
「いいな」
「選挙に行くことね」
「それで誰がなっても一緒じゃないことはわかったな」
「ええ」
 返事は確かなものだった。
「あんな人を当選させて知事さんにしたら恐ろしいことになるわ」
「だったら選挙に行くな」
「そうするわ」
 こう言って実際にだった。
 娘も選挙に行った、そうしてその立候補者には投票しなかった。そしてその人物が落選したと聞いてまた父に言った。
「これからも選挙行くわ」
「そうするな」
「いい人に当選してもらって」
「駄目な人に落選してもらう為にな」
「いつも行くわ」
 こう言っていつも選挙に行く様になった、そうしてこれは駄目だと思った人には絶対に投票しないのだった。


選挙に行って駄目な人を   完


                   2023・12・18 
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