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X ーthe another storyー

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第四十七話 慕情その十

「ですから」
「戦えないですね」
「そして護刃さんも」
「そうなりました」
 征一狼に正直に答えた。
「すいません」
「謝罪される必要はないですよ、それでは」
「これからですね」
「帰りましょう」
「私達のところへ」
 こう話してだった。 
 護刃は犬鬼そして征一狼と共に議事堂に戻った、負傷している征一狼を気遣いつつそうした。その頃。
 草薙は哪吒と支え合いながら退いていた、その中で彼に言った。
「お互い無事でな」
「何よりですね」
「ああ、やっぱりな」
「無事であることがですね」
「一番だよ、怪我をしてもな」 
 それでもというのだ。
「怪我はまた治るだろ」
「はい」
「だからな」
「生きていることがですね」
「一番だよ、ただな」
 草薙はこうも言った。
「怪我、傷付いたら心配する人がいる」
「そのことはですね」
「覚えておかないとな」 
 絶対にというのだ。
「やっぱりな」
「そのことはですね」
「ああ、お前さんにもいるだろ」
「はい、地の龍の皆さん」
 哪吒はすぐに答えた。
「お祖父様が」
「そうだよな、だからな」
「出来る限りですね」
「怪我や病気はな」
「ないことですね」
「それが一番だよ」
 こう言うのだった。
「本当にな」
「そういうことですね」
「そしてな」 
 さらに言うのだった。
「今回の怪我のことはお前さんのお祖父さんもわかってるだろ」
「はい、それは」
「けれどな」
「心配させないことですね」
「くれぐれもな」
「そうすることが大事ですね」
「ああ」
 確かな声で言った。
「安静んしてな」
「傷の回復にですね」
「専念しろよ」
「そうします」
「そうしてな」
 草薙はさらに言った。
「俺もな」
「これからはですね」
「また起きられる様になるな」
「そして動ける様にですね」
「そうなるさ、ただその頃には戦いが終わって」
 草薙は遠い目になって話した。
「戦う必要がなくなったらな」
「いいですね、そうなったら」
「その時はな」
 草薙はさらに言った。 
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