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X ーthe another storyー

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第四十七話 慕情その四

「そうさせてもらいます」
「それでは」
「手分けして戦いましょう」
「そうしましょう」
 二人で話してだった。
 そのうえで別れた、護刃は巨大な鳥居の方に行くとその前に哪吒が立っていた、護刃は彼を見ると言った。
「出来るならね」
「お互い闘いたくないですね」
「哪吒君ともお話してるしね」
「はい、学園の中では」
「一緒にご飯食べたり」
「楽しく過ごしていますね」
「だから私嫌いじゃないよ」 
 こう哪吒に言うのだった。
「決して」
「僕もです、ですが」
「今は闘うしかないからね」
「闘いましょう」
「そうしようね」 
 悲しい顔で話してだった。
 二人は闘いに入った、そして境内の拝殿の前にだった。
 征一狼が行くとだ、その前にだった。
 草薙が上着のポケットに両手を入れて来た、征一狼はその彼に言った。
「地の龍の方ですね」
「ああ、そう言うあんたもな」
「天の龍です」
「そうだよな、じゃあはじめるか」
「そうしますか」
「お互い気が乗らないみたいだけれどな」
 草薙は征一狼と正対したところでこうも言った。
「そうだよな」
「貴方もそうですか」
「ああ、戦い自体がな」 
 征一狼に返した。
「そうなんだ」
「同じですね」
「そうだよな、けれどな」
「これも運命ですね」
「変えられる運命があってもな」 
 草薙は残念そうに言った。
「今あんたと俺が戦う運命はな」
「変えられないですね」
「ここまできたらな、けれどな」
 草薙は身構えつつ言った。
「出来る限りお互いな」
「死ぬ運命は避けましょう」
「そうしような、じゃあな」
「はじめましょう」
 征一狼も構えた、そしてだった。
 二人は闘いに入った、風と気をそれぞれ放ち宙に舞ってだった。
 死闘がはじまった、その時に。
 護刃と哪吒は闘っていた、護刃は犬鬼を放ち哪吒は無数の布を放つ。哪吒はまずは犬鬼を捕えんとするが。
「犬鬼、任せて!」
「ワン!」
「布はこっちで何とかするから!」
 こう言って衝撃波を放って布を弾く、そして。
 犬鬼を哪吒に向かわせる、その犬鬼をだ。
 哪吒は自身の衝撃波で退けるが鳥居の上で歯噛みして言った。
「くっ、流石ですね」
「私も必死だから」 
 護刃は嗤わず木の上に立って応えた。
「それでよ」
「お互いにですね」
「そうね、そうなるわね」
「僕も必死です」
「勝つ為に」
「はい、護刃さんは嫌いではないですが」
 それでもというのだ。 
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