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仮面ライダーキバ 目に見えないつながり

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第十三章

「そなた達の名をな」
「おお、よしよし」
 その横では参列者の一人の子供が泣いていた。緑の男がその子供を慰めている。
「泣いてはいけないぞ。男の子だからな」
「泣くぅ!?」
 また男が変わった。
「泣いてる奴は何処や!俺が涙を止めたる!」
「今度は目が黄色くなったし」
「ちゅうか何で関西弁になるんや!?」
「しかもまた髪型変わったし」
「俺の凄さは泣けるで!泣いてる子供なんか一発や!」
「おいデネブ!」
 今度は強い声の若者が出て来た。今騒いでいるころころ変わる少年より少し年上のようである。
「紅渡達はいたのか?」
「それがいないようだ」
「いない!?」
「二十二年後の世界にもう行ったようだ」
 デネブと呼ばれた彼はこう若者に告げた。
「だから俺達もすぐにだ」
「そうだな。行くか」
「そうしよう、侑斗」
「わかった。おい野上」
 侑斗と呼ばれた彼はすぐにころころ変わる少年に声をかけた。
「すぐに未来に向かうぞ。いいな」
「んっ!?ああ」
「キンタロス、ここは僕が出るよ」
 これまでとは全く違う声が出て来た。
「後はいいから。任せて」
「わかったで、良太郎」
 その関西弁の声が応えた。
「ほなあとは任せたで」
「うん」
 こうして少年はまた変わった。だが今度はかなりまともになっていた。とりあえず憑き物が落ちたような感じになっていた。
「ふう、やっと元に戻れたよ」
「それはよかったわね」
 恵が彼に対して言った。
「それで君達。何なの?」
「デンライナーに乗ってるんですか?」
 静香が問うのはこのことだった。
「それでしたらよかったら私達も」
「少しは戦力になるで」
 襟立が彼等に言う。
「そやから是非な」
「おお、それは助かる」
 デネブは襟立の今の言葉を聞いて喜びの声をあげた。
「こちらも味方の数は多い方がいい」
「そうだな。相手はネオファンガイアだけじゃないからな」
 桜井はここで襟立達にとっては重わぬことを口にした。
「数が多いだけな」
「んっ、ちょっと待って」
 最初にそのことに気付いたのは恵だった。
「今敵はファンガイアだけじゃないって言ったわよね」
「そうだが」
 デネブが恵に対して答えてきた。
「それがどうかしたか?」
「って一体何が出て来るのよ」
「まさかとは思うけれどあれか?イマジンとかが出て来るんか?」
「イマジンは出ないよ」
 良太郎が彼女の問いに答えた。
「それはね。カイは倒れたし」
「じゃあ何が出て来るのよ」
「レジェンドドルガよ」
 また一人出て来た。背が高く半ズボンの奇麗な足が目立つ黒く長い髪の奇麗な女だ。
「あの連中が出て来るのよ」
「レジェンドドルガ!?」
 その名を聞いた恵達は皆すぐにその目をいぶかしめさせた。
「あの連中が蘇ったとかいうの!?」
「って確か渡達が倒したやろが」
 恵と襟立が言ってきた。
「まさかとは思うけれど」
「何でまた蘇ったんや!?」
「話せば長くなるから」
 その美女が二人に告げる。
「詳しい話はあれね。電車の中でね」
「そのデンライナーですよね」
 静香が彼に言ってきた。
「その電車って」
「うん。今ここに来るから」
「今ここにって」
 これは恵美にとって予想外のことだった。
「線路なんかないけれど」
「ああ、それは必要ないんだよ」
 桜井が彼女に答えた。
「自然に出て来るからよ、線路は」
「自然にって」
「もうマスターには連絡しておいたわ」
「有り難う、ハナさん」
 良太郎がその美女に対して名前を呼ぶと共に礼を告げた。
 
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