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イベリス

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第百二十七話 告白その十一

「いい気分転換になるから」
「いいのね」
「そうよ、だからね」
 それでというのだ。
「最後はね」
「身体洗うのね」
「髪の毛もね。そこまでして」
「お風呂出るのね」
「そうよ。時間はたっぷりかけていいでしょ」
「明日休日だしね」
「部活かアルバイトの予定ある?」
「アルバイトが夕方から」
「じゃあその時までに二日酔いになっていても」
 それでもというのだ。
「すっきりすればいいし」
「だからなのね」
「もうとことんね」
「お風呂も入るの」
「そうもして」
 そしてというのだ。
「忘れるのよ」
「時間もかけて」
「そうよ、いいわね」
「それじゃあね」
「じゃあ今はね」
「今は?」
「水風呂行かない?」
 咲に笑って提案した。
「そうしない?」
「水風呂?」
「もうそろそろ限界じゃない?」
 見れば愛の身体から流れる汗は完全に滝の様になっている、咲もそうなっていて二人共水を賭けられた様だ。
「熱くない?」
「実はね」
 咲もそれはと答えた。
「私もそろそろ」
「それじゃあね」
「もうなのね」
「一旦サウナから出て」
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「水風呂ね」
「かけ湯して」
「マナーでね」
「マナーだし」
 そうして汗を流してから入るのだ、これもエチケットである。
「それに身体を慣れさせるのよ」
「冷たいお水に」
「だからね」
「水風呂に入る前は」
「特にサウナに入る時はね」
 その時はというのだ。
「お水をかかって」
「そのうえで入るのね」
「そうよ」
 絶対にと言うのだった。
「いいわね」
「マナーだしね」
 それ故にというのだ。
「そこはね」
「ちゃんと守って」
「入ろう、じゃあ今からね」
「とことん入って」
「すっきりするわよ」
「わかったわ」
 咲は愛の言葉に頷いた、そうしてだった。
 愛と共にスーパー銭湯での入浴を心ゆくまで楽しんだ、その上で家の近くのスーパーに酔って酒とつまみも買って家に帰ったのだった。


第百二十七話   完


                 2023・9・15 
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