Ｘ　ーｔｈｅ　ａｎｏｔｈｅｒ　ｓｔｏｒｙー

「いいな」
「わかったわ」
「それじゃあな」
「二人が戻って来たわ」
　庚が言ってきた。
「今ね」
「そうなの」
「二人共無事よ」
　こう颯姫に話した。
「安心しなさい」
「そう、よかったわ」
「ただ遊人は怪我をしたから」
　それでとだ、庚はこうも話した。
「だからね」
「それでなの」
「そう、だからね」
　それでというのだ。
「暫くは戦えないわ」
「そうなの」
「そしてそれは」　
　庚はさらに言った。
「貴女もみたいね」
「ビーストのダメージが大きくて」
　その為にとだ、颯姫は庚のその言葉に答えた。
「暫くは修理に専念するわ」
「そうなのね。ゆっくりと修理してね」
「そうしていいの」
「ええ、遊人もね」
　彼もというのだ。
「焦らないでね」
「じっくりとなのね」
「治療してもらうわ」
「いいの？それで」　　
　颯姫は落ち着いて微笑んでさえいて語る庚に問うた。
「一時的とはいえ戦力が」
「二人もっていうのね」
「なくなったのに」
「いいわ、相手も一人とはいえ負傷して」
　庚はその笑みのまま颯姫に答えた。
「戦力は落ちたし」
「だからなの」
「これで私達が戦えるのは三人になったけれど」
　現時点でというのだ。
「まだまだね」
「巻き返せるの」
「そうよ、やってくれるわね」
　ここで庚は封真達を見て彼等に問うた。
「これから」
「任せて下さい」
　封真が確かな顔と声で応えた。
「これから」
「宜しくね」
「はい、俺も地の龍ですから」
「やらせてもらいます」　
　哪吒も言ってきた。
「僕も」
「俺もだな、少なくとも地の龍でい続けるから安心してくれ」
　草薙はこう言った、戦いは好まないが仲間達への絆を感じそれを大切に思っているのでそれでこう言ったのだ。
「そしてな」
「巻き返してくれるわね」
「ああ、きっとな」
「確かに劣勢になったわ」
　庚もこのことは否定しなかった。
「けれど戦いは最後に勝っていればいいのよ」
「そうね、それはね」
　颯姫もそれはと応えた。
「最後にそうなっていれば」
「目的を達成していればね」
「そうね、それにビーストも修理出来るし」
「遊人も回復するわ」
「それならよね」
「一時的なものよ」
　戦力ダウンはというのだ。