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X ーthe another storyー

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第四十五話 属性その四

「今日の様に早く終わることはです」
「稀ですね」
「そうです」
「僕は遅い位ですよ」
 遊人は自分の仕事のことを話した。
「これで」
「公務員の方は」
「大抵は定時に終わりますから」
「五時ですか」
「今日は一時間も残業して」
 そしてというのだ。
「それから寄るところもあったので」
「この時間ですか」
「ええ、仕事によってそこは違いますね」
「全くですね、ですが満足していますよ」
 征一狼はにこやかに話した、見れば二人共そうした顔になっている。
「やりがいがあるお仕事なので」
「だからですか」
「はい、そして」
「それにですね」
「家族も皆さんもいてくれるので」
「それは何よりです。では」
「次の駅で、ですね」
「降りますか」
「そうしましょう」 
 二人で穏やかに話して戦場に向かっていた、その頃火煉は哪吒とある駅のホームで向かい合っていた。
 その哪吒の顔を見てだ、火煉は微笑んで言った。
「落ち着いた顔ね」
「そうですか」
「お家を見付けたみたいな」
「お家、そうですね」
 哪吒は火煉に言われこう返した。
「今の僕にはお祖父様がいてくれて」
「地の龍の人達もかしら」
「皆さんがいてくれています」
「だからなのね」
「お家があると言われますと」
 それならというのだ。
「そうなりますね」
「そうなのね」
「はい、有り難いことに」
「それは何よりね、それではね」
「それでは?」
「お家を大事にしなさい」
 哪吒に優しい声で話した。
「いいわね」
「僕はですか」
「ええ、そしてね」
 そのうえでというのだ。
「生きていくのよ、人間として」
「そうしていくことですか」
「それが貴方にとっていいことだから」
 それ故にというのだ。
「そうしていくのよ」
「わかりました」
 哪吒は火煉のその言葉に確かな顔で頷いた。
「それならです」
「そうしていくわね」
「きっと、ですが今は」
「ええ、闘いましょう」
「そうするしかないですね」
「今の私達は敵同士だからね」
「それでは」
「行くわよ」
 火煉は右手を左から右に一閃させた、そして自分の前に無数の火の玉を出しそれを上下に螺旋状に動かしたうえで。
 哪吒に放った、哪吒はそれをかわし。
 無数の布を火煉に放った、だがそれを。
 火煉は左手から放った炎で焼いてそうして言った。
「生憎だったわね」
「布には火ですか」
「私から見て相性がいいのよ」
「そして僕から見て相性が悪い」
「そうなるわ」
「確かに。ではです」
 哪吒はこのことを自分でも把握して応えた。 
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